(11) 『 カラーズ (COLORS) 』
(1988年)
監督:デニス・ホッパー
主演:ショーン・ペン、ロバート・デュバル
音楽:ハービー・ハンコック
この作品の舞台となるLAでは、映画公開当時、600組/構成員7万人を越すギャング団が存在し、それらギャングが関わったとされる関連事件(殺人・傷害・強盗・麻薬etc)は387件にも達したという。
本作品は、それら事件の取締りにあたった暴力団犯罪課通称“C.R.A.S.H.(Community Resources Against Street Hoodlums) ”の活動を追う事によって、犯罪に塗れたストリートの現実を白日の下に晒したハード・バイオレンス作品である。
見た目にもまだあどけなさを残す十代の少年達が拳銃を振り回しいとも容易く殺人を犯す場面や、僅か1ブロックや2ブロックという狭い居住区内に生活しながらも身に付けている洋服の色(カラーズ)によっていがみ合う状況など、それらを知り得ない者にとっては衝撃の連続だろう。
しかし、公開当時のLAではこの作品に描かれる状況や事件は現実に存在していた。そして現在尚この社会問題の痕跡は根強く残っているという。
そして、我々ヒップホップ・フリークが本作品をリアルに捉えることが出来るトピックスこそが、かの<デス・ロウ>レーベルのC.E.O.シュグ・ナイトとブラッズ(赤いバンダナや洋服を身に付けているギャング団)との関係であり、ギャング同士の抗争が原因ではなかろうかと憶測されている2パック及びビギーの殺害事件だろう。
LAを中心とする西海岸ラップ・カルチャーをより深く理解するには、この作品こそマスト・ビューな存在である。
『 カラーズ(COLORS) 』サントラ
1.Colors/Ice-T 2.Six Gun/Decadent Dub Team 3.Let the Rhythm Run/Salt-N-Pepa 4.Raw/Big Daddy Kane 5.Paid in Full/Erik B.& Rakim 6.Butcher Shop/Kool G.Rap 7.Mad Mad World/7A3 8./Go on Girl/Roxanne Shante 9.A Mind Is a Terrible Thing to Waste/M.C.Shan 10.Everywhere I Go (Colors)/Rick James
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