特別編 [ AALIYAH ]
< Rest In Peace...AALIYAH ! >
皆さんも既にご存知だと思いますが、去る01年8月26日、飛行機墜落事故の為アリーヤが永眠されました。
人の命が失われるという事自体は自明の理として素直に享受しなければならない事なのですが、才能が失われるという事に関してはいささか歯痒さを感じずにはいられません。
レーベルも移籍し心機一転、21世紀のR&Bを牽引するカリスマ性と類い稀なる才能の総てを放出してくれると思ったその矢先での他界……。
R&Bシーンは大切な才能を失ってしまいました。それはそれは大きな損失です……。
『 AGE AIN'T NOTHING BUT A NUMBER 』
('94 JIVE)
当時飛ぶ鳥を打ち落とす勢いで人気を博したR・ケリーのプロデュースにて、若干15歳で彗星の如く現れたアリーヤ。
デビュー・シングル“Back & Forth”(94年5月、R&Bチャート3週連続NO.1)での彼女の初々しいヴォーカルとポップなメロディーが与えたインパクトは今でも忘れられない。
『 ONE IN A MILLION 』
('96 ATLANTIC)
メイン・プロデューサーをR・ケリーから新鋭ティンバランドに変更しての意欲作。
ティンバ・サウンドがシーンを席巻するその起爆剤となった1枚であることはもはや言うまでも無い。
しかしながらそのトレンド・セッターとなる鍵は、ティンバ以上にアリーヤにあったことは決して無視できない。変態的とも言えるチキチキ・ワールドの中で、クールに対応する彼女の姿があったからこそ名作となり得たのだ。
『 AALIYAH 』
('01 VIRGIN)
ジャネットも属するヴァージン・レコードへ移籍しての21世紀対応型3rdアルバム。
先行シングル“Try Again”の大ヒットを背に受け新作を熱烈に期待する声が高まる中のリリースであったのだが、その期待を決して裏切る事の無い傑作となった。
前作のパートナーであるティンバとの相性は言うまでも無いが、キービーツなどの新鋭プロデューサーが送る新たなる作風にも果敢にチャレンジする姿は、まさに21世紀の<パイオニア(開拓者)>たる堂々とした貫禄さえも覗わせた。
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『 DR.DOLITTLE 』
('98 ATLANTIC)
エディー・マーフィー主演のコメディー映画のサントラ。
収録中の“Are You That Somebody?”は、ティンバとの相性も抜群のチキチキの完成系たる秀曲。赤ちゃんの声を入れるなどのアイデアには、分かっていながらもヤられてしまった。
『 ROMEO MUST DIE 』
('00 VIRGIN)
主題曲“Try Again”収録、アリーヤの初主演作ともなった映画『ロミオ・マスト・ダイ』のサントラ。
彼女のキュートで魅力的な演技がスクリーンに映る姿は映画ファンにも好印象を与え、女優としての才能/彼女の新たなる側面も開花させた。
女優として挑んだ最新作『マトリックス2』の公開も目前であったのだが……。
残された私達がしなければいけない事は、きっと悲しむ事ではないと思う。
彼女が残してくれた作品群をきちんと再確認し、彼女の存在を忘れないように、彼女が挑んできたR&Bという音楽に対し真摯に望む事……それが私達がすべきこと、なのではないでしょうか?
R&B、その魅力を余す事無く伝えてくれた彼女にもう一度……Rest In Peace !
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