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All About J-POPガイド精選 「お別れの歌」

コンピCDがヒットしたりして「泣ける歌」が流行中。そうすると今度は「泣かすこと」を狙った曲が見受けられるようになってしまうんですね。「それは違うよね」という思いもあって「お別れの歌」を厳選しました。

執筆者:常木 晴亮

コンピレーションCDがヒットしたり、テレビ番組が人気を博したりして「泣ける歌」が流行っている。そうすると今度は「泣かすこと」を狙った曲が見受けられるようになってしまうんですね。それは「なんか違うよね」。そんな思いもあって抽出した以下の楽曲は、筆者個人の経験にオーバーラップしたものを厳選したものです。大人なら共感していただけることと思います。

春なのに、暗くてスミマセン。

1970年代の1曲 「ヒッピーに捧ぐ」

■ RCサクセション 「ヒッピーに捧ぐ」 作詞:忌野清志郎 作曲:肝沢幅一

シングル・マン
RCサクセション 『シングル・マン』
オリジナルは1976年4月21日発売。ウッド・ベースや管などJAZZっぽい生音とエレキ・ギターやクラビネット等の電気楽器が融合した“アコースティックでファンキー”なサウンドも特筆もの。古いCDをお持ちの方は、この高音質CDに買い替える価値があるかも
身近な人の訃報というものは本当に突然やってくるものです。昨日と同じ風景が昨日と全く違って見えている自分には全くお構いなしに朝は来るし、世の中は動いていく。

「ヒッピーに捧ぐ」は 自ら命を絶ってしまった友人に 唐突にこの世からいなくなってしまった友人に忌野清志郎が捧げた曲。

受け入れがたい現実をそのまま歌詞に定着させ、嗚咽をそのままシャウトに置き換えた壮絶な歌は、RCサクセションに憧れてそのスタイルに挑戦した幾つかの例を含め未だこれを越えるものは存在しない。

そして清志郎本人も1986年のRCサクセション日比谷野音コンサート以来、LIVEで披露していない※。
※DVD 『One Man Show』(2004) にボーナス・トラックとしてリハーサル映像が収録されている

その時の模様はコンサートを収録したLIVE盤 『THE TEARS OF A CLOWN』及びDVD 『THE TEARS OF A CLOWN』 で聴くことが出来ますが、その絶唱もオリジナルのスタジオ版には届いていない。だからこそ 『シングル・マン』 の 「ヒッピーに捧ぐ」 は唯一無二のもの、なのだ。

この記事は以下の文献を参考にしました
連野城太郎 『GOTTA!忌野清志郎』、ロックンロール研究所 『生卵 - 忌野清志郎画報』 etc.
2009年6月8日
取り消し線部分に筆者の思い込み違いによる記述ミスを発見した為、訂正しました


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