12年ぶりに観たLIVEと素晴らしい新作
東京ローカル・ホンク
本J-POPガイド・サイトも、もうじき開設3年目に突入します。いままでとりあげてきた中でROCKバンドだけをピック・アップしてみても、ラブハンドルズ、騒音寺、COUCH……と、我ながらなかなかイイ線いってるんじゃないかと思う今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中、1通のメールが届きました。件名を見て少し震えた。そこには「東京ローカル・ホンクと申します」と書いてあったのです。
1994年12月31日 @ 新宿 日清パワーステーション
「素敵な初詣'94-'95」
それは1994年の大晦日の夜に、新宿の今は無きLIVEハウス「日清パワーステーション」で行われた忌野清志郎のイベント「素敵な初詣'94-'95」を観に行った時のことです。清志郎さん御推薦のグループということで登場した、見た目がとっても地味なワカモノ達が「うずまき(現:東京ローカル・ホンク)」というバンドだったのです。うずまき 『ヒコーキのうた』 1999年10月に発売され、最近2度目の再発売と相成った"うずまき"名義の1st.アルバム |
しかし彼らはとても妙な後味~なんというか「アボガドを野菜なのか果物なのか知らずに、勿論名前も知らずに初めて食べた後」のようなモヤモヤとした感触を私の下腹部辺りに残していったのです。
そして程なくして※うずまきの1st.アルバム『ヒコーキのうた』が発売されました。レコ屋勤めだった私はこのアルバムを清志郎関連作のひとつとして仕入れ、店頭に並べてみたのです。それは爆発的に売れるという訳でもないのですが、再オーダーをしようと思わせるタイミングは逃さないという、絶妙な売れ方を続けたのです。
※程なくして
あとから彼らの歴史をたどってみたら「素敵な初詣'94-'95」から 『ヒコーキのうた』 まで4年も経っていたのですが……
『ヒコーキのうた』を初めて聴いた時の感触は、やはり妙な後味で。霧の向こうから立ち昇るような1曲目「カミナリ」は12年前のモヤモヤ感をいまだに思い起こさせます。
翌年早春の音楽誌でこのアルバムを年間ベスト作品に選出しているライターが数人いるのを見ましたが、当時の私にはそこまで絶賛する理由がまだ理解できませんでした。今思うと忌野清志郎推薦ということで勝手にRC(サクセション)っぽさを期待していたようにも思います。
『ヒコーキのうた』というアルバムは、沢山の音楽ジャンルを通過した耳には傑作にしか聴こえない作品ですが、私がそれに気づくまで、ここから数年かかるわけです。
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