この時期、襟を正して聴きたい曲
ハンバートハンバート 「喪に服すとき」
ハンバートハンバート 『1時間』 2003年のアルバム 『焚日』 1曲目に収録されていた「喪に服すとき」を、新録音で収録したMaxi Single。どちらのヴァージョンにも捨てがたい魅力があります |
「反戦」という字面(じずら)はなんだかそれだけで攻撃的な感じがしてしまいますが、最後に、そんな気持ちを穏やかに落ち着かせてくれる曲を御紹介します。
それは男女2人組グループ ハンバートハンバートの「喪に服すとき」。逝ってしまった人に花を手向けるように大切に歌われる、タイトル通りの静謐な鎮魂歌です。
国境も越えるリスニング・ツアーへ
この「喪に服すとき」はThe Chieftains(with Sting)のヴァージョン( 『The Wide World Over: A 40 Year Celebration』 等で聴けます)が知られるアイリッシュ・ミュージックの伝統歌「Mo Ghile Mear - Our Hero(素早き戦士)」にオリジナルの歌詞をのせたもの。ここにも脈々と受け継がれている意訳魂。The Chieftainsといえば元ちとせとのコラボ・レコーディングとJAPANツアーを成功させたばかり。アイリッシュといえばSOUL FLOWER UNIONの音楽に欠かせない要素、そしてハンバートハンバートは高田渡や西岡恭蔵ら日本のフォークのオリジネーターの楽曲をよくとりあげるグループ……と、こんな風に、音楽は聴けば聴く程接点が出てくるところが面白い。
ジャンルや時代、国境も越えるリスニング・ツアーの出発点は、あなたのコレクションやプレイリストの中にもきっと、あるのです。
【関連リンク】
- ハンバートハンバート * オフィシャルウェブサイト
話題の映画『包帯クラブ』(2007年9月公開)の音楽を手掛け(サントラ盤はコチラ)、さらなる飛躍が期待されるハンバートハンバートのオフィシャル・サイト。「喪に服すとき」をはじめとする名曲の数々が「ディスコグラフィーと試聴」ページで文字通り試聴できますので、ぜひ聴いてみてください。
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2007年夏の公開作品『夕凪の街 桜の国』から去年の『硫黄島からの手紙』、名作『火垂るの墓』などをとりあげ、その見所を教えてくれる反戦映画の秀作選記事。手掛けているのは名作映画担当ガイド中野豊氏です