伝説の「雨の野音」。全貌が遂に商品化!
■ 第1位 THE MODS 『HIBIYA LIVE 1982.6.20』 DVDTHE MODS 『FIGHT OR FLIGHT-WASING』 1981年発売の1st.アルバム 『FIGHT OR FLIGHT』 を、25年間不動のメンバーで曲順もそのままに再録音した作品。伝説の「雨の野音」LIVEのDVD付! |
1982年6月20日、デビュー1周年を記念して日比谷野外音楽堂で行われたこのLIVE、1st.アルバムをリアルタイムで聴いて、彼らと同じだけ歳をとってきた目で見ると、さすがにみんな若いですね。あどけなさすら感じてしまいます。
彼らは当時から、同時期にデビューした他の福岡出身バンドと比べ、とても「完成された」印象がありました。1st.の録音はロンドン※だし、ファッションもあか抜けていましたし。
※1st.の録音はロンドン
ちなみにThe Roostersの1st.アルバムは東京 赤坂のAMSスタジオで、TH eROCKERSの1st.アルバムは千葉県の観福寺本堂で録音されています。
今回ようやく全編が商品化されたこのLIVEを観て、その思いはいっそう強くなりました。リーダー森山達也には既にカリスマティックなオーラが ~ 歌っている時は勿論、演奏を中断して観客の小競り合いを制するシーンにさえ ~ 漂っています。
しかしそんな風に冷静に観ていられるのは前半だけ。中盤から降り出した雨がやがて豪雨になり、楽器は壊れ音も出ず、マイクもイカレてジェスチャーだけで演奏を続けるTHE MODS。そして、そんな彼らに替わって歌うのは、誰1人帰らず、熱気でもうもうと湯気を上げるオーディエンスだったのです。
奇跡的なLIVEの、奇跡的な記録
雨が降って、THE MODSが演奏を止めてしまっていたら……
スタッフがLIVEを中止してしまっていたら……
オーディエンスが帰ってしまっていたら……
伝説は生まれ得なかったわけで。
絶対に涙なしには観られない、奇跡的なLIVEの記録です。
「LIVE盤を出す予定があって(DVD収録のインタビューより)」レコーディング機材が入っていたが故に記録されたこの映像、このまま商品化されること無く封印されてしまうのだろうと思っていただけに、簡単に観られるようになった事は本当に喜ばしい。
そして途中途中でインサートされる各メンバーのコメントが、「この日の事は大切にしているけれど、(日々のLIVEに比べて)そう特別なものでもない」というニュアンスで全員一致しているのも頼もしい。THE MODS、去年1年間のLIVEは3ツアー、44本だったそうです。
THE MODS 『LIVESLINGER~YA-ON COMPLETE~』 こちらは「雨の野音」から24年を経た2006年6月の日比谷野音LIVEを完全収録したDVD |
どんなアーティストでも1st.アルバムは「越えられない壁」なわけですが、気負うことなく現在進行形で等身大のプレイをパッケージしてくる辺りに、彼らの「鉄の意志」を感じずにはいられません。
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- HAKATA
THE MODS、The Roosters、TH eROCKERS……。「博多めんたいロック」と呼ばれたグループを中心に、現在まで脈々と流れるシーンの熱さを知る為のリンク集です。
- THE MODS ROCKAHOLIC
THE MODS自ら運営するオフィシャル・サイト。メンバーやスタッフの近況やメッセージを知る事が出来る「Day trip Days」は更新頻度高し。1973年から現在まで詳しく書かれた「Biography」も読み応えがあります。
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