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J-POP 「転職成功」 アーティスト BEST 5(2ページ目)

週刊アスキー×All Aboutのコラボ企画「ランキング帝国」。J-POPアーティストとして活動した後、転職していっそうその名を馳せた5人の男達を紹介します。

執筆者:常木 晴亮

文筆家へ
「転職してアブナイ役から小説家の先生に」 町田康

メシ喰うな
INU 『メシ喰うな』
町田町蔵といえばこの「目」。ジャケットからして名作の1981年作。
芥川賞作家としても知られる町田康は、INUというパンクバンドのヴォーカリスト町田町蔵として知られていました。

陣内孝則も出演していた映画『爆裂都市』(1982)では、戸井十月と共にちょっとイっちゃっている兄弟の弟役で出演。2人共セリフが無くて唸ったり叫んだりするだけ、散々暴れた挙げ句にオートバイで走り去ってしまうという訳がわからない役だったのに、観終わった後の印象が最も強かったのが彼だったのです。

そんな独特の存在感を活かして俳優業でいくのかと思いきや、2000年に発表した小説『きれぎれ』でなんと芥川賞を受賞。その独特の文体はINU以降の彼の音楽活動と地続きのもので、とても一般ウケするとは思えず、バンド(エコーズ)時代からメッセージ先行型だった辻仁成が『クラウディ』ですばる文学賞を受賞した時とは全く違う驚きがありました。

俳優、映画監督へ。
「転職して夢を叶えた男」 陣内孝則

COME ON
TH eROCKERS 『COME ON』
1981年発売の2nd.アルバム。中央で睨みをきかせているのが陣内孝則です。
2005年秋のフジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』で主人公の父親役を演じていた陣内孝則は、博多のロックバンド「ザ・ロッカーズ」のヴォーカリストとして1980年にデビュー。

アルファベット表記を「TH eROCKERS」とするこのグループ名は、しばしば「エロッカーズ」と読まれてしまいました。今でもCDショップの「ア行」に入っているのを見かける事があります。

同時期に活躍したザ・ルースターズと共に語られる事も多いザ・ロッカーズですが、\49,800の全部入りBOXなんていうブツまで出ている前者に比べて、シングル曲すらまだ未CD化のまま※という状況はいかがなものかと思ってしまいます。映像やLIVE音源も少なからず存在するはずなので、発売元のポニーキャニオンには、ぜひまとめてのリリースを期待したいところ。

ListenJapan
ザ・ロッカーズの未CD化曲「黒い眼をしてU.S.A.」と、「シャープシューズでケリ上げろ!」の未CD化ヴァージョンがここからダウンロード購入できます。


バンド解散後陣内はソロで音楽活動をし、その後、徐々に俳優業へとシフトしていきます。1986年、倉本聡脚本の名作ドラマ『ライスカレー』でTVドラマ初出演。時任三郎、中井貴一と並ぶ主役3人の内の1人という大役を見事にこなしてみせました。

アメイジング・グレース
陣内孝則 『アメイジング・グレース』
1998年発売。この本のエピローグで陣内孝則は「いつかこの作品を映画化したい」と書いています。
ザ・ロッカーズのファンだった私は、このドラマを半信半疑の目で見ていたのですが、その演技に魅了されてしまいました。「もう(ザ・ロッカーズが)観られなくてもいいや」とまで思ったものです。しかし、なぜかこのドラマも未DVD化。どぉなっちゃってんのよ!

2003年には自伝的小説『アメイジング・グレース』を自らメガホンを取り映画化。タイトルも『ロッカーズ』というこの映画は興行的には成功したとは言えない結果に終わってしまったようですが、陣内孝則が「転職して夢を叶えた男」であることは間違いのないところでしょう。

→次のページ に登場するのはニュース・キャスター、脚本家。
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