野菜と水のおいしさが印象的
ディナーのひと皿目は、「ニンジンのムース トマトのソース添え」。ほんの何口かで食べ終わってしまう、前菜の小さな一品ですが、家庭の常備野菜が堂々と主役を張った印象深い料理でした。
▲ムース部分が見えなくてスミマセン! |
ニンジンを弱火でゆっくり時間をかけて柔らかくし、風味を逃さず、甘みを引き出しているのがポイント。日照時間が長く、寒暖差が大きな土地柄ゆえ、野菜の糖度や風味が濃いといわれていますが、ニンジンがこんなに美味しいものだったかとあらためて驚きます。クリーミーで口溶け滑らかなムースですが、後味にシャリシャリしたニンジンらしい食感を残しています。トマトの果肉だけでつくった澄んだソースとの相性も抜群。
食材は地元・幕別町を中心に十勝産が主体。魚介類は道内各地から選ります。時期で使う食材や内容は異なりますが、今回いただいた内容をまとめて紹介しますね。
(左)紋別産ホッケのマリネ 十勝の春野菜と共に。ホッケはよほど鮮度が良くないと生食できないないので、マリネでの提供は稀少。(右)苫小牧産北寄貝のソテー 音更産ホワイトアスパラと新玉ねぎにバニラの香りをまとわせて。 |
(左)虎杖浜産平目のブレゼ ソースアンティボワーズ。(右)十勝といえばこの食材。十勝牛のロースト マデラ酒のソース。 |
ワインはお宝ものから手頃なものまで、セラーに180種類1200本収蔵。支配人でソムリエの田中孝一さんがセレクトしてくれます。田中さんは、赤坂のレストラン「セレブール」の支配人兼ソムリエ。ぜひにと乞われ、営業期間中は十勝暮らしを楽しみつつ、気持ちのいいサービスでもてなしてくれます。
▼野菜のおいしさで目覚める朝食編へ。