そこに、地方から挑み優勝した唯一の馬がいた。
その名は、メイセイオペラ。決して恵まれぬ血統。地方競馬ゆえの資金難。
だが、それらを乗り越え、全国のサラブレッドの頂点に立ったこの馬は、地方の奇跡として今なお競馬の歴史に刻まれる・・
昨日オンエアされたプロジェクトX(NHK)『中央突破・疾走せよ不屈の雑草馬』の番宣コピーから抜粋してみました。見られた方も多いでしょうが、もう一度ガイド的に刻まれた競馬の歴史と番組内容を検証してみたいと思います。
ホントにそんな名馬なの?
メイセイオペラが勝ったのは、1999年のフェブラリーステークス。このレースがG1に昇格して3回目のことだ。が、過去2回の勝ち馬がシンコウウィンディ、メイショウモトナリと聞いても、あまりG1馬というイメージはしないだろう。中央のダート戦はまだまだサブ的な扱いでしかなく、路線確立途上という感じで、地方交流も今ほど重視されていない“中央競馬ダート黎明期”であったことは間違いない。2着エムアイブラン、1番人気ワシントンカラー(6着)という結果を見ても、そんなに強豪揃いでもなかったことがわかる。ちなみに翌年も同レースに出たわけだが、3番人気4着(優勝ウィングアロー)に終わっている。これらの事実を総合すると、絶対的に強かったとは言えないかもしれない。時期的に現れたタイミングがピったしだったのは事実だが、中央G1を初制覇した地方馬という栄誉は汚されない。
つまりは、いつまでもずっと記憶に残る馬なのである。そして、これこそが一番大事な名馬の条件なのだ。プロジェクトX(NHK)の鋭い相馬眼であった。
ph by Nフィッシュ(ありりんのI LOVE HORSE ☆)