1番人気が、たびたび沈む秋の天皇賞(東京・芝2000m)。それは“府中に棲む魔物”の仕業らしい。シンボリルドルフ、オグリキャップ、メジロマックイーン、トウカイテイオー、ビワハヤヒデ、ナリタブライアン、サイレンススズカなど、最強と称された名馬が餌食になっている。たまたま昨年は姿を見せなかったみたいだが、2000mに距離短縮された1983年以降(17回)に1番人気が勝ったのは3回だけというオカルトぶりである。
それが出現するのは、スタートから100mまで(先行争い)、4コーナー前のケヤキ付近(ペースアップ)、ゴール前のダラダラ直線500m(叩き合い)のケースが多いようだ。しかも審議降着や故障発生という人知を超えた呪いをかけてくるのは困ったモノである。この不可解さについては、高名な競馬評論家の方々がさまざまな説を唱えている。しかし決定的な真相は未だ解明されていないようだ。もちろん私なんかにわかるはずもない。
昨年、テイエムオペラオーはその呪縛を逃れた。(武豊騎手はスタート直後の切れ込みに、かなり憤慨してたらしいが)今年は魔手に捕われてしまうのか、またもや威光で蹴散らすのか、それが問題だ。前哨戦の京都大賞典でも悪運の強さ?を見せつけたオペラオー。しかしホントの名馬と呼ばれるためにも、ア然とするような敗退を喫してもよくないか。「もおええやろ」と思っている方もたくさんいるはずだから。(きっと)
だが(たいへん失礼とは思うが)何度も痛いメにあわされ、戦意喪失してしまった馬たちに、打倒オペラオーを望むのは酷かもしれない。しかし、なんとかしてオペラオーに鉄槌をくらわし、魔物伝説を証明してほしい。はたして『弱きを助け、強きを挫く』ヒーローがいるのだろうか?最終登録をしたのは全部で17頭だが、すでにヤヤこしい問題も発生しているようだ。