競馬/競馬関連情報

競馬概論その3 小説と競馬の関係 読書すれば競馬が変わる!かも?

読んでも、ちっとも面白くない【競馬初心者入門】みたいな本、ありますよねー。そんなん読むくらいなら、クオリティの高い競馬小説の方が有意義と考えます。おすすめを2冊取り上げてみました。

執筆者:十時 龍一

ブックストアに行くと【競馬初心者入門】みたいな本がある。通常おもしろくないんだな、これが。「もっと工夫を」と言いたくなるのが多い。日本人的発想のモロ参考書っぽい語り口で読む気がしない。だけど教えてくれる人に不自由している初心者の方は“ワラにもスガる”気持ちで買いこんでしまうかも。しかし面白くないものは読まずにほおっておく。もったいない。

競馬に限らず、なにかを理解するためには『基本的な組立てと流れ』を把握するのが早道だ。それから次の段階(よく入門書で最初に出てくる馬券の種類やコースの形態など)を徐々に覚えていく方がわかりやすいと思う。そこで“いつの間にか”競馬の組立てと流れを把握できる本をご紹介したい。

まずは初心者入門用としておすすめの一冊。

【優駿(上)(下)】     新潮文庫  著者/宮本輝
JRAが発行している月刊誌ではない。小説である。知っている人からは“なんとベタな”と嘲笑されるかもしれない。だがしかし、日本文芸の中でこれほど競馬のことをしっかりと書き上げた小説はない。(多分)
<読みどころ>
主役はオラシオンという馬。もちろん喋れないに決まってるから、物語は周辺の人間たちの視点によって進行する。主に登場するのは<馬主・生産者・調教師・騎手>といったところ。さりげなくサラブレッド三大始祖の話から導入し、オラシオンの成長に合わせて繰り広げられるヒューマン・ドラマといったところである。あえて心理描写を避け(馬に対する思惑は読む)競馬の流れを感じ取っていくのがコツ。
<あらすじ>
日高のちっぽけな牧場が一世一代の賭けをした。身の程知らずの借金をし、最も優秀な牝馬にサンデーサイレンス級(とは書いてないけど)の種馬を付けたのだ。そして生まれた元気な牡馬。牧場を訪れていた馬主とその娘は、その馬を一目見て魅せられる。オラシオンと名付けられたその馬は、調教牧場、トレセン、レースと順調に育っていき、ついにダービーに出走・・・。

あらすじだけ見ると「なんじゃそりゃ」って感じだろうが、これをブンガク的に解説するのはたいへん難儀なのである。とにかく読んでみてほしい。ぜったい後悔させない!から。
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