初演は、300年前のイギリス!

裸の王様
初演は、1728年のイギリス。そうなんです。この作品は、なんと約300年も昔に上演されているんです。原作者のジョン・ゲイは、既存のオペラの世界では取り扱われることのなかった「犯罪社会」に注目。たった一日、オペラの上演を許されたベガー(物乞い)たちのその一夜を、劇中劇の形でつづっていく手法を取っています。当時、ギリシャ神話をベースにしたオペラが最盛期だったイギリスで、一大センセーションを巻き起こした同作は、「世界最初のミュージカル」として、また、ドイツ劇作家、ベルトルト・ブレヒトの『三文オペラ』の原型として、エンターテインメントの歴史に燦然と名を刻んでいます。

舞台と客席が一体となってひとつの「芝居」を作る

裸の王様
2006年の日本初演は、またたく間にチケットが完売。出演者全員がほぼ出ずっぱりのエネルギッシュな演出と、舞台と客席が一体感──。そして、60曲以上ものミュージカルナンバーと、今まで日本で上演されてきたほかのミュージカルのどの作品とも似ていません。大団円では、ベガーにさらわれて(?)、お客さんが舞台で踊ってしまうなんてことも! 俳優、観客、音楽、舞台セットなど、すべてが相まって、なんとも濃密な劇場空間が作り上げたれていた初演は、そりゃあもう新鮮な驚きでいっぱいでした。ベガーたちが、それぞれの役を受け、舞台上で衣装に着替える冒頭のシーンは、舞台の至るところで小芝居が行われていて、「あっちも観たい! ここもおもしろい!」と、どこに目をやっていいのか迷ってしまうほど。その濃~い舞台が、二年ぶりに東京に戻ってきたのです。

二月の大阪公演を終え、キャストもスタッフも気力十分! 豪華な出演者たちも、劇場の中では「貧しい物乞い」。大阪公演では、休憩時間に、「豚まん」「生餃子10パック」などの「お恵み」がたーんと集まったそうです。心ある(?)観客からの「施し」で、森公美子は、一つホックの位置がずれてしまったとか!?

次ページでは、東京初日直前に行われた、合同取材、舞台稽古の模様を簡単にレポートしますっ。