キリストの最後の七日間をミュージカル化

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『ジーザス・クライスト=スーパースター』。私ごとで恐縮ですが、演劇、ミュージカルの魅力にとりつかれて20年。以来、数え切れないほどの作品をみてきた中で、わたしのいちばん好きなミュージカルです。

個人的な思い入れはともかく、作品について説明しましょうね……。

『ジーザス・クライスト=スーパースター』は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』の作曲家、アンドリュー・ロイド・ウェバーと、『ライオン・キング』『アイーダ』の作詞家、ティム・ライスが20代の頃に手がけた彼らの出世作。イエス=キリストが十字架にかけられるまでの最後の七日間をミュージカル化した同作は、1971年のブロードウェイ初演時、イエス=キリストを人間としてとらえたことで、特にキリスト教徒の間では多くの波紋を呼び、上演反対のデモが起きたほどだとか。しかし、センセーショナルな作品ということで逆に大きな話題を呼び、また楽曲のすばらしさ、作品の底知れぬパワーとあいまって、1991年までに日本を含めた41カ国で上演され、1973年、2000年と二度、映画化もされています。

歌舞伎の隈取メイクを施したジャポネスクバージョン

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ジャポネスクバージョンは、当時30代だった浅利慶太が、この作品に刺激を受け、独自の演出を施した作品。最近の海外ミュージカルは、契約の関係で自由に日本的な演出を行うことがなかなか許されないのが現状ですが、同作の日本初演が行われた1973年には(BW初演からわずか2年後のことなのですね!)当時は日本独自の演出、振り付けを施すことが可能でした。とくに、ジャポネスクバージョンは登場人物全員が歌舞伎の隈取にジーンズという出で立ちで登場。音楽にも、三味線や太鼓の音を交えるなどといったアレンジを加え、日本人の心に響く演出を施しました。1991年に、ロンドンの「ジャパン・フェスティバル」で上演された際も、「白塗りのメイクで表情を隠したことで、より登場人物の心情をダイレクトに伝える」と高い評価を得たそうです。

客席数500の劇場だからこその、贅沢で濃密な空間

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これまで比較的大きな劇場でのみ上演されていた同作が、初めて客席数500の自由劇場で上演されるという点も楽しみにしていたのですが、そちらも期待にたがわず。濃密で、贅沢な舞台を堪能しました。

緞帳のない真っ白に染められた舞台で繰り広げられる、パワーあふれるミュージカル。ぜひ体感してみてください。

さて、次ページでは、今回の公演の模様を写真でご紹介していきましょう!