舞台は近未来の日本。大災害から一ヶ月が経ち……
テンポ感あふれる表現力を持つ個性派俳優、八嶋。今回の役柄は究極のマイペース男だ |
八嶋:
……役がでしょ? 書いてあるならばそれが本当。
戸田:
若干、本人と役にだぶる?
八嶋:
それもありますよ。でも生瀬さんからもっとぼんやりしてくれって演出の指示がでていますので……。どうしても育ちの良さと知性が出てしまうんですよねえ。
──大倉さんはすごい衣裳ですね。
生瀬:
ひとり、タイタニック──。
戸田:
違うお芝居みたい。
生瀬:
これを見るとちょっとどうかな? と思うかもしれませんが、これにもいろいろなわけがあって。それはもう劇場で観ていただけばわかります。アッと驚く仕掛けになっています。あと、こちらも──楽屋着みたいな……(八嶋の浴衣姿をみて)。でもこれも衣裳ですから。
──26公演の中で、みなさんがお客さんに伝えたいことはありますか?
八嶋:
お客さんに伝えたいことは──後半はまだ若干チケットが残っているので、後半に来たほうがおもしろいということをみなさんに伝えたいですね。
生瀬:
僕が答えます。地球温暖化。これがもうテーマになっています。
八嶋:
ほんとう?
生瀬:
ウソです。近未来のSFチックな話ですが、特別な人たちが出てこないお芝居。出てくるのは普通の人たちばかりです。自分がその立場になったら、僕はあの人だな、わたしはこうだなと登場人物に思いを馳せることができる話。決して、難しいお芝居ではありません。
舞台は近未来の日本。大災害から一ヶ月が経ち……
所属劇団「ナイロン100℃」で看板俳優を務める大倉。『西遊記』『大帝の剣』など出演映画の公開も控えている |
生瀬:
大変は大変ですけど、いや本当に楽しいですよ。みなさんベテランですし。
八嶋:
(戸田のほうを観て)ベテランはひとり……。
戸田:
(八嶋をにらみつける)
──良かった面、悪い面はありますか?
八嶋:
やはり奥菜恵さんがカワイイという点です。僕は本番で、どこかチャンスがあればキスをしようと狙っています。
奥菜:
やだ……。
生瀬:
キスシーンはないですけど、彼は必要以上に奥菜さんを触る癖があるんで、それを注意するのが大変でしたね。奥菜さんも奥菜さんで本気で嫌な顔をしている。役以上にね。
八嶋:
僕が一方的に思いを馳せる役作りをしているんです。
──それは役の上での?
八嶋:
もう付き合っているみたいなものです。いや、付き合ってます!
奥菜:
やめてくださいよ~。
戸田恵子。テレビドラマ、舞台、映画の吹き替えなど幅広く活躍中 |
八嶋:
家族ぐるみの付き合いで、嫁もお世話になっているお姉さんなので、あんまりそういうエロティックなことは考えられない……。でも、ずっとこの世界でやってきているのに、いちばん頭は柔らかい。稽古でも僕らが頭を抱えている時も「まあまあいいじゃない。やってみようよ」と精神的なイニシアチブを取ってくれます。それは、うれしかったですね。僕は仲はいいですが、同じ舞台に立つのは初めてなので、ずっとトップランナーでいられる理由が分かりました。
戸田:
(照れて)ちょっと~おかしいよ。
八嶋:
そして、こう見えてすごくスタイルがいい! とてもきれいな体をしているな、と。
戸田:
こう見えてって……。
──いやらしいですね。
八嶋:
はい。やらしい目で見ていました。
戸田:
イマサラ何も気にすることはないです。淡々と。
──最後、大倉さんからお客さんに対してメッセージを。
大倉:
……。
八嶋:
まずそのネガティブな顔から入るな!
大倉:
……見に来てください。あとはパンフレットを買ってください。
八嶋:
あとは、ティーのシャツも売っています。Tシャツ!
それでは、最後に公演情報をご案内します!