30代の女性3人が立ち上げた演劇ユニット
左から、主浜はるみさん、諏訪友紀さん、タリンさん。10月6日(金)夜公演はすでに満席。10月9日(月・祝)の公演が狙い目とか |
いったいどんな人たちが、どんな作品を作ろうとしているのでしょう? 彼女たちと同世代の女のひとりであり、また一演劇ファンの私は、わくわくしながら稽古場に向かいました。
稽古前に、演出の中心であり、出演女優のひとりでもあるタリンさんにお話を伺いました。メンバーの3人で、初めて顔を合わせたのは今年の5月のことですが、その日のうちに稽古場をかりる算段まで、話が進んだというのですから、驚きです。
「お互いほとんど知らない同士だったので、初めのうちはお互いを知る作業に明け暮れました」とタリンさん。長い時間をかけてお互いのことを話し、「今では、お互い知らないことのほうが少ない間柄(笑)」とか。お互いの理解を含めていく中で、登場人物のキャラクターや台本が決定していったのだといいます。台詞も、エチュード(即興芝居)で出てきたものが、そのまま使われているシーンもあるのだそう。
「どこからでも、なんでも見てほしい(笑)」(タリンさん)
発せられる何気ない台詞がとてもリアルで、時々、心がきゅっと締め付けられる感覚を覚えました |
1時間ほど稽古を拝見させていただきました。演出も、脚本も役者たちで作り上げるということで、どんな稽古になるのかイメージがつかなかったのですが、緊張感のあるとてもよい稽古で、すぐに芝居の中に引き込まれてしまいました。お互いがお互いの演技の感想を伝え合い、同じシーンを何度も繰り返します。
上演する劇場も3人で探したそうです。
「とても小さくて、でもとても居心地がいいところなんです。他の小屋もいくつか見学にいったのですが、ここだけは、誰も帰りたがらなかった(笑)」(タリンさん)
通常、受付として使われるスペースも、彼女たちは「舞台」として使用するのだそう。いったいどんなお芝居になるのでしょう!?
「もうどこからでも、なんでも見てくれという感じです(笑)。お芝居の醍醐味である“覗き見”を楽しんでください!」。タリンさんが、「私だったらここで、ほかの2人の芝居が観たい」と思ったのも、この劇場を選んだ決定打だったとか。
「今回のお芝居は、演劇ファンだけではなく、満ち足りた毎日だけど、何かが物足りない──そんな風に感じている、ごく普通の毎日を送っている方にもみていただきたいです。観終わったあと、人生って悪くない、そんな風に思ってもらえればうれしい」
私のように、彼女たちと同世代の女性はもちろんですが、タリンさんのいうように、その他の人にとっても「普通の毎日」の一服の清涼剤になるのではないでしょうか? 同年代の女性の日常をちょっと覗き見する感覚で、私も足を運んでみるつもりです。
あらすじ
高校の同級生である詠美、椎奈、実子は卒業以来ほとんど接触なくそれぞれの人生を歩んでいた。
30代半ば、ひょんな事から同居生活を送り始める。
夜の世界できらびやかに活躍する詠美、結婚して得意の料理に腕を振るう椎菜、作家として芽が出始めた実子。
高校時代の話に花が咲き毎日楽しく暮らしているがその実、仲良しだからこそお互い知られたくない秘密を持っていた──。
【Qluck宴『ストッキング』公演情報】
● 公演情報: Qluck宴
●作・演出:Qluck宴
●出 演 :主浜はるみ 諏訪友紀 タリン 好宮温太郎(タテヨコ企画)
●公演日時:2006年10月5日(木)~10日(火)(全13回公演)
※昼公演初回の回では、グンゼ株式会社提供のストッキングがプレゼントされます。
●会 場: 東中野RAFT(東京都中野区中野1-4-4 1F)
●料 金:予約・当日料金 2500円、LADYS割引 2300円(LADY連れの男性も可)
※日時指定・全席自由 1ドリンク付き
● 公開ブログ