オーディション抜擢組も活躍
影絵や文楽など、アジアの伝統芸能 を巧みに取り入れた演出も見事 |
ラフィキ役のチャ・ジヨンさんの歌で始まるオープニング──。オーディションで抜擢された、ほとんど舞台経験のない俳優さんだそうですが、堂々とした立ち振る舞いで大役を見事につとめあげています。そして、「劇団四季」の他の演目でも何度か拝見している、スカー役のキム・スンラさんの生き生きとした(?)悪役ぶりもすばらしかったです。日本よりも、ブロードウェイに近い、観客の素直な反応もまた、新鮮でした。
試演会のあとには、取材会が行われました。演出の浅利慶太さんは、開口一番、「一ヶ月、稽古してきたけれど、今日の舞台が一番良くなかった。役者にとって、緊張が与える影響がいかに大きいか、再認識しました」。
「利益はすべて韓国においていく」(浅利氏)
スカー役のキム・スンラさん(写真中央)は、在日韓国人。日本語と韓国語の両方で質問に答えてくれました |
「ライオンキング」韓国公演の総制作費は、(1年公演を行ったと仮定して)216億ウォン(日本円で約25億円)。
「半年で撤退したら赤字。1年で原価が取れ、3年続いたら黒字になる計算。人生の中でも最大の冒険。こんなに大変な仕事は一度でいい。また、利益が出ても日本には一切持ちかえるつもりはありません。レッスン場の建設など、韓国で俳優養成などに再投資します」(浅利さん)
この試演会を経て、一ヵ月後の初日までにどのように変化をとげているのか、そして、韓国人の観客の反応は──?。
これからのソウル旅行には、韓国料理やエステ、買い物以外にも、「ミュージカル」という楽しみも加わりました。さあて、いつ行こうかな。
●公演案内
『ライオンキング』韓国公演公式HP
2006年10月28日(土)より、韓国・ロッテ・シャル劇場内にて無期限ロングラン