90年代はシットコムが高い視聴率を稼いた時代でバラエティーに富んだシットコムが次々と誕生しました。中味のない番組(The show about nothing)をキャッチフレーズにした日常スケッチ『隣のサインフェルド』(89年)の爆発的なヒットに引き続き『そりゃないぜ!?フレイジャー』(90年)、ゲイの弁護士と大親友のデザイナーがマンハッタンで同居する『ふたりは友達?ウィル&グレイス』(98年)、口うるさい両親、強い妻に悩まされる中年男の『Hey!レイモンド』(96年)など、国民的ドラマが次々と登場したのです。
もうひとつの人気弁護士ドラマ『ザ・プラクティス ボストン弁護士』(97年)は、本格的社会派法廷ドラマとして手に汗握る展開となっています。前半は刑事ドラマ、後半は検察の訴追の様子を描いた『ロー&オーダー』(90年)も、独特の緊迫感溢れる番組構成で大ヒットなり、『Law & Order 性犯罪特捜班』(99年)、『Law & Order Criminal Intent』(2001年)のスピンオフも人気番組となっています。。アメリカ軍犯罪法務部JAGの活躍を描いた『JAG 犯罪捜査官ネイビーファイル』(95年)もタブーとされがちな事件なども取り上げ大きな話題を呼びました。
80年代に放送されていた『St. Elsewhere』『Hill street Blue』に、より一層のリアリティー感を加え、最高級のスタッフにより作られた医療ドラマの決定版『ER 緊急救命室』(94年)がスタートし、同年放送開始となった『Chicago Hope』(94年)と共に新しい医療ドラマの時代を築き上げていきました。『ER』を手掛けたジョン・ウェルズは、他に『サード・ウォッチ』(99年)や下で紹介している『ザ・ホワイトハウス』など、クオリティーの高いリアリティー・ヒューマンドラマを製作し、90年代大活躍しました。