デスパレートな妻たち
ゴールデンアワーに主婦が主人公のドラマ『デスパレートな妻たち』が放送

ハリウッド映画を超える完成度のドラマが続出2000年代

2000年9月11日アメリカ同時多発テロ事件が起こり、アメリカは対テロ戦争と称してアフガニスタンとイラクを攻撃。戦時中となったアメリカでは愛国心、そして愛する人のために戦う、をテーマにしたドラマが大ヒットしました。

みなさん、ご存知『24 TWENTY FOUR』(01年)です。他にも9.11時世界貿易センタービルで救助活動を行っていた消防士を描いたヒーロー・ヒューマンドラマ『レスキュー・ミー NYの英雄たち』(04年)、コンセプトは異なりますがアメリカのために、愛する人のために戦う二重スパイという設定の『エイリアス』(01年)が多くの視聴者を獲得しました。

医療ドラマはリアリティー溢れる特殊メイクの世界から一歩離れて、医師の内面など精神的なものにフォーカスを当てた番組が登場。ヒュー・ローリーがシニカルな型破りの医者を演じ評判となった『Dr.HOUSE』(04年)、激しい恋愛に苦しみ外科医インターンとしても成長していく姿を描いたスタイリッシュ医療ドラマ『グレイズ・アナトミー ~恋の解剖学~』(05年)、そして整形手術をテーマにした『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』(03年)が安定した人気を集めています。

一方犯罪ドラマは、特殊メイクや特殊効果を駆使したリアルな作品が次々と登場。最新科学を駆使し現場証拠品をかき集めて犯人を捜し当てる科学捜査班の活躍を描いた『CSI:科学捜査班』(00年)スピンオフの『CSI:マイアミ』(02年)、『CSI:ニューヨーク』(04年)はこの特殊効果が素晴らしく大ヒットしています。

『CSI』シリーズを手掛けたジェリー・ブラッカイマーは、もともと『アルマゲドン』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などを手掛けた映画プロデューサー。ビッグ・スクリーンだけでなくスモール・スクリーンでも彼の才能は100%発揮されており、行方不明者を敏速な捜査により救い出す『FBI失踪者を追え!』(02年)や長期間にわたり未解決となっている事件を地道に解決していく『コールドケース迷宮事件簿』(03年)なども製作しています。

検死医たちが法医学を駆使し次々と難事件を解決へ導く『女性検死医ジョーダン』(01年)もそうですが、2000年代の犯罪ドラマは派手なアクションで直接対決するのではなく、じわじわと悪人を追い詰めていくのがトレンドだといえるでしょう。尋問のプロが主人公の『クローザー』(05年)も高視聴率を更新中です。

とはいえ派手なアクションが売りのドラマも健在で、中でも『ザ・シールド ルール無用の警察バッジ』(02年)は高い人気を誇っています。映画『ターミネーター』などを手掛けた映画監督ジェームズ・キャメロンのSFドラマ『ダーク・エンジェル』(00年)もアクション満載で人気を呼びました。

事故で予知能力が目覚めた男性のドラマ『デッド・ゾーン』(02年)はホラー作家スティーヴン・キング原作とあって、精神的に訴えてくるエピソードが多くあります。『スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル』(04年)もテレビドラマとしては最高級のホラー作品なのではないでしょうか。死者に触れると「助けて」という声と共に時間がまき戻る『トゥルー・コーリング』(03年)も面白い設定で日本では高い人気がありますが、アメリカでは低視聴率のためシーズン2半ばで打ち切りになってしまいました。

イラク戦争の終わりが見えなくなってくるにつれ、家族がテーマのドラマが受け入れられるようになります。郊外に暮らす姉妹のような年の近いシングルマザーと娘の物語『ギルモア・ガールズ』(00年)、牧師と妻が様々な問題に面しながらも7人の子供を育て上げていく『7th Heaven』は96年にスタートしたドラマですが、派手な展開がないものの安定した視聴率をマークし続けていました。妻を亡くしたワーカホリック外科医が子供を連れて田舎での生活をスタートさせる『エバーウッド 遥かなるコロラド』(02年)も暖かい感動の物語として人気を集めました。

2000年のコメディドラマは強迫性障害などに悩む元名刑事だった男性の鋭い洞察力で次々と難問を解決しいく『名探偵モンク』(02年)の一人勝ち状態が長い間続いていました。しかし、英国で大ヒットした郊外の支店が舞台のヒューマン・シニカル・コメディをリメイクした『The Office』(05年)やコロンビアの大ヒットドラマ『ベティ~愛と裏切りの秘書室』のリメイク版『Ugly Betty』(06年)の人気が高まっており、今後はこの二作がリードすることになりそうです。

業界暴露系ドラマもHBOが放送しており、大人気となっています。ハリウッドで大成功しつつある俳優とその御つきの友人たちの友情を描いた『Entoutrage』(04年)『隣のサインフェルド』を手掛けプロデューサーとして巨万の富を得たラリー・デイヴィッドの日常を描いたとされるシニカルなドラマ『ラリーのミッドライフ★クライシス』(00年)、ハリウッド俳優を目指すもののチャンスがつかめずもがき苦しむ役者が主人公の『Extras』(05年)は、コメディドラマとして高い評価を得ています。

無実の兄を自分の全てをかけて救いだそうとする刑務所が舞台(シーズン1)の『プリズン・ブレイク』(05年)、無人島に墜落した飛行機の生存者たちのミステリー溢れる物語『LOST』(04年)など、先の見えない展開のドラマも大ヒット。先が見えないといえば、リッチな子供たちが直面しているアルコール、ドラッグ、セックス、妊娠を含む様々な問題をリアルに描き、またリッチな大人たちの恋愛も存分に楽しめた『The OC』(03年)も、ミーシャ・バートン演じるキャラクターの奇想天外な行動が読めず、視聴者をハラハラさせていました。

最後に2000年の一番人気ドラマとして『デスパレートな妻たち』(04年)をご紹介いたします。90年代終わりからリアリティー番組に流れていた視聴者をドラマへと引き戻したとされているこの番組は、2005年4月末にホワイトハウス担当記者らが主催したパーティーで、ジョージ・ブッシュ大統領の妻ローラ夫人がスピーチに引用し全世界に知られるようになりました。プライム・ソープとカテゴライズされていますが内容はそれ以上のものがあり、恋愛、ミステリー、サスペンスと様々な要素が混じりあったテンポの速いストーリー展開に、気が付くとどっぷりはまってしまいます。奥様向けドラマと見られがちですが、既婚者、独身者、性別、年齢関係なく楽しめるドラマで「アメリカのドラマっていいなぁ」と思わせてくれる番組なのです。


アメリカのテレビ番組は視聴率が低いと1話でも打ち切られてしまいます。

時代を反映したアメリカ国民が求める世界を、そしてヒーローをテレビ界は生み続けているのです。

衛星テレビの普及に伴い、アメリカで放送された話題のドラマが時間を空けずに日本でも放送されることが多くなってきています。今後も海外ドラマから目が離せそうにありません!

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