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海外ドラマのいまと昔(2ページ目)

80年代、90年代、そして2000年代と、過去30年間を振り返りながら「海外ドラマのいまと昔」をご紹介いたします。

執筆者:堀川 樹里


素晴らしき日々

80年代は探偵ドラマとファミリードラマの当たり年

80年代は探偵ドラマの当たり年でもあり、ブルース・ウィルスの出生作『こちらブルームーン探偵社』(85年)、5代目ボンドとしてブレイクしたピアース・ブロスナン主演の『探偵レミントン・スチール』(82年)、上流階級夫婦が難問を解き明かす『探偵ハート&ハート』(79年)などがヒットしました。

その昔はテレビドラマに出演するのは映画に出られない「ワンランク下」の役者だといわれていたのですが、この時代からドラマで成功した役者が映画界へ進出し大成功を収めるケースが目立つようになります。

刑事・警察ドラマも健在で、意思を持つスーパーカー、ナイト2000とタッグを組み悪を叩き潰す『ナイトライダー』(82年)、ハワイを舞台にダンディなトム・セレックが活躍する『私立探偵マグナム』(80年)、マイアミの強い日差しが全てを魅力的に見せた警察ドラマ『マイアミ・バイス』(84年)、マフィアやテロリストとも戦う『特攻野郎Aチーム』(83年)、女性刑事コンビが主人公の『ギャグニー&レイシー』(82年)など、スピーディーなアクションに加え「ちょっいワルな雰囲気でかっこいい」というイメージで主人公が描かれるようになってきました。

また暖かなファミリードラマも多く製作され、レオナルド・デカプリオの出世ドラマ『愉快なシーバー家』(85年)、アフリカン・アメリカン一家のコメディ・ドラマ『ザ・コスビー・ショー』(84年)、主人公が少年だった60年代を振り返った「古き良き時代」ドラマ『素晴らしき日々』(87年)などがヒットしました。

数多く放送されたファミリードラマの中でも一番人気だったのは、何といってもオルセン姉妹のデビュー作『フルハウス』でしょう。口うるさいお母さんが居ない分、ほのぼのとしてた和み系ドラマに仕上がっており幅広い層から支持されたのでした。『ファミリー・タイズ』(82年)も高い視聴率をマークし続けましたが、こちらはヒッピーな両親と共産党支持者の息子の価値観のギャップが大うけしており、時代を色濃く反映しています。

女性のお年寄りが主人公のドラマ『The Golden Girls』(85年)も登場。お色気たっぷりのブランチ、ボケ役のローズ、サバサバと男っぽい性格のドロシー、ドロシーの母でシニカルなソフィアが繰り広げる笑いアリ時には涙ありの友情物語で、孫がいるような年でもまだまだ人生を楽しみ満喫するというゴールデン・ガールズ・パワーに共感するグランマたちが続出し、ドラマは大ヒットを納めました。

70年代に放送スタートとなった『ダラス』で確立されたプライム・ソープのカテゴリーには、『ダイナスティ』(81年)が登場。基本的に『ダラス』と似たような設定だったのですが、とにかく何かにつけ全てが豪華で、今でもゴージャスさではこのドラマにかなうものはないといわれているほどです。

また、80年代の代表作としてこれまでの法廷ドラマよりもより一層リアルな内容になった近代法廷・裁判ドラマの草分け的ドラマ『L.A.ロー 7人の弁護士』(86年)、女性版刑事コロンボ『ジェシカおばさんの事件簿』(84年)、私生活はいまいちなバリバリなキャリアウーマンが主人公のコメディドラマ『TVキャスター マーフィー・ブラウン』(88年)などが挙げられます。

忘れてはならないのは『将軍 ショーグン』(80年)。出演した島田陽子が日本人として初めてゴールデングローブ主演女優賞を獲得し、アメリカの・テレビ界における第一次日本人役者ブームを巻き起こしたのでした。


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オープニングの曲が切ない気持ちにさせた『素晴らしき日々』
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