歌舞伎/歌舞伎関連情報

チームワークとパッションの見せ所。2(2ページ目)

若手役者の登竜門「三越歌舞伎」で中村獅童と市川笑三郎、春猿、猿弥、段治郎他澤瀉屋一門がうれしい顔合わせ。演目も近松作品の『女殺し油地獄』と華やかな義太夫狂言の『車引』だ。

執筆者:五十川 晶子

●古典に挑戦できるありがたいチャンス。松嶋屋さんに教われてうれしい

発表会場でいつも明るい雰囲気を作るといえばこの人。市川猿弥の三越歌舞伎にかける抱負は。
「今日の発表でなぜ私だけが白いスーツなのか(笑)。三越劇場は小さいのがイイ。飛び六法の引っ込みなど、花道がどう設置されるのか楽しみ。思い切ってやりたい」

「飛び六法がどうなるか、花道がどうなるか」(猿弥)。


今回初めての「三越歌舞伎」参加の市川春猿は、期待を込めて語る。
「『車引』の桜丸は7年前のリサイタルで一度やったことのあるお役。懐かしいことずくめ。三越劇場は(出演したことのある)パルコ劇場とも異なるが違和感なく入れた。なんともいえない格式とか伝統ある内装というのが第一印象。ここでお芝居ができるのがうれしい」


「初めての三越歌舞伎なのでとにかくうれしい」(春猿)。



澤瀉屋一門の若手には、国立劇場の俳優養成所の修了生が多い。『車引』で久しぶりに松王丸の大役をつとめる段治郎もその一人。

「養成所の卒業公演で松王丸をやらせていただいた。その時の同期の春猿がやはり桜丸だったのを思い出す。『油地獄』の豊嶋屋七左衛門は松嶋屋が監修してくださるので楽しみだ。今年1月松竹座では、ふだんご一緒することの少ない松嶋屋さんの芝居の作りかたが非常に勉強になった。楽屋も狭くて(笑)みんな一緒なので、わいわい楽しい一ヶ月になりそう」

猿之助一門といえばスーパー歌舞伎、という印象が強いが、
「確かにスーパー歌舞伎で1年の半分を過ごすことが多い。我々に何が足りないかというとやはりどうしても古典(の経験、勉強)が足りない。学ばせてもらえるのがありがたい。次へのステップとして挑んでいきたい」と、気合を見せた。
「古典に挑戦できるありがたい機会」(段治郎)。



楽屋も一緒でわいわいと騒々しそうだが?「チームワークをプラスに持っていければいい味が出そう」と獅童。
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