歌舞伎フォーラムを企画する舞台創造研究所のプロデューサーで、狂言作者の竹柴源一さんは、
「泣いて笑える、つまり庶民の手の届く演劇を目指して18回目となった。
国立劇場の養成所出身者やお弟子さんたちが10年修行して、名題試験を受ける。合格するとそれを披露する場が必要。かつて小芝居は、お弟子さんたち脇の役者が、大芝居の主役と同じ役を体験してみるという機会となっていた。おかげさまで歌舞伎フォーラムも小芝居の復活を重ねて18回。今回は、本興行なみに25回ステージとし、役者も裏方を手伝ったり、子役の顔(化粧)を手伝ったり後見したり、すべて手作りの公演。ボランティアの学生にも随分手伝ってもらっている。
こういう積み重ねの中で、過去42人の役者が出演してくれた。役者も人も育ってきたように思う。名題となった役者の中から、幹部役者へと出世していく役者も出てきた」。
また、今回『櫓のお七』で人形ぶりのお七を勤める中村京妙は
「今回は操り三番叟の人形ぶりの第二弾として、お七を勤めさせていただきます。宗家の藤間勘十郎さんご指導をいただきます。歌舞伎フォーラムではいつも珍しいお芝居を上演させていただいて、松竹、江戸博、竹柴さんなど多くの皆様のおかげです。こんなシアワセはございません。」
『松王下屋敷』で春藤玄蕃を勤める澤村光紀は
「浅草生まれで羽子板職人の家で育ちました。江戸東京博物館で実演販売をさせていただいた経験があり、そこでお芝居をさせていただくなんて感激しております」
中村梅之は「今回が2度目の歌舞伎フォーラム公演参加です。普段勉強できない大役をできますのも、皆様のおかげと感謝しています。一番若輩者なので先輩の足を引っ張らないよう頑張りたいと思います」
とそれぞれ意欲を見せた。
子役と主な出演役者が顔を揃えて。 |
2へ続く。