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旅に出たい気持ちになる映画(2ページ目)

秋は旅の季節。ヨーロッパ、アメリカ、南米、アフリカ、オセアニアなど旅に出たい気分に誘われる映画をディステネーション別に選んでみました。

執筆者:オライカート 昌子

ニューヨークだけじゃない、いろいろな顔を持ったアメリカ

ニューヨークを舞台にした映画には、数え切れないぐらいあります。『ユー・ガット・メール』、『セレンディピティ~恋人たちのニューヨーク~』、最近では『ナイト・ミュージアム』も。広大なアメリカでは、大陸を横切るロードムービーも有名です。旅をするのには理由があるのでしょうか? また、旅が残したものは?

イージーライダー
イージーライダーの画像
『イージーライダー』
ロードムービーの決定版。バイク好きにもたまらない名作です
『イージーライダー』は、ロードムービー、そしてアメリカン・ニュー・シネマの代表とも言える作品。理想を求める二人のライダーとよそ者を排他する人々が描かれています。この作品から40年近く経つ今、世界に変化はあるのでしょうか? 衝撃的な作品ですが、音楽の良さもあって、今の人が見ても十分楽しめるはず。ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン主演。デニス・ホッパーは監督も兼任。ピーター・フォンダは、製作も兼任。

パリ・テキサス
パリ テキサスの画像
『パリ・テキサス』
ヴィム・ベンダース監督の傑作ロードムービー
84年、カンヌ国際映画祭をパルムドール受賞作品。ヴィム・ベンダース監督の代表作品です。ゆったりとした時間と、音楽と映像の素晴らしさでテキサスの乾いた土地を描写、余韻がいつまでも消えない映画でもあります。

脚本サム・シェパード、主演ハリー・ディーン・スタントン。ナスターシャ・キンスキーの代表作品かも。ちなみに、アメリカには、テキサスのパリ以外にも何箇所かあるそうです。

テルマ&ルイーズ
テルマ&ルイーズの画像
『テルマ&ルイーズ』
女性が主人公のニュー・シネマ風ロードムービー
『テルマ&ルイーズ』は、珍しく女性が主人公のニュー・シネマ風ロードムービー。アーカンソー州で平凡な主婦のテルマとウェイトレスをしているルイーズ。楽しいはずの二人旅が、ちょっとしたことで悪夢に変わっていきます。彼女たちの選択と生き方は、平凡な日常にうんざりしているときに見ると、不思議な魅力で元気をくれるはず。日常から逸脱していくのは問題だとしても、彼女たちが見せてくれるガッツは、心地よいのです。

ルイーズを演じるのは、スーザン・サランドン、テルマを演じるのはジーナ・デイヴィス。監督はリドリー・スコット。新人だったブラッド・ピットが、ヒッチハイカーJ・Dを演じています。アカデミー脚本賞を受賞しています。

サイダーハウス・ルール
サイダーハウスルールの画像
『サイダーハウスルール』
ロードムービー的面白さと、青年の成長を描くさわやかな作品
厳密にはロードムービーとは言えませんが、旅する意味を改めて考えさせられる映画です。孤児院で育ったホーマーが、初めて外の世界に出かけ、初めて海を見て、サイダーハウスで働きます。恋をして一段と大きく成長していく姿を、アメリカの美しい光景と共に、じっくり描くのは、ラッセ・ハルストルム監督。ジョン・アービング原作、脚色。

ホーマーを演じるのは、トビー・マグワイア。この作品を見たサム・ライミ監督の奥さんが、『スパイダーマン』のピーター・パーカー役にと、推薦したとのこと。マイケル・ケインは、アカデミー助演男優賞を受賞。シャーリーズ・セロン、ポール・ラッド共演。

サイドウェイ
サイドウェイの画像
『サイドウェイ』
2005年の賞を総なめにした作品。
アバウト・シュミット』のアレクサンダー・ペイン監督が描いた、ワインの薀蓄と2人中年男のダメっぷりが際立つ、ロードムービー。2006年、数々の映画賞をとり、話題をさらった作品。離婚が忘れられない男と、結婚式を控えた男が秋のカリフォルニアを旅します。大きな事件も起こらず、出てくるのは、いたって普通の人々。小粒でも、細かいところが丁寧に描かれ見終わった後には、美味しいワインを飲んだような気分にさせられます。

旅をして、人々に出会い(この場合は女性)、もう大人なので大きな成長はしないけれど少しだけ人生のゴタゴタが整理され、さっぱりした気分になれるような映画です。出演は、この作品によってメジャーに躍り出た2人、ポール・ジアマッテティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ。トーマスが演じたジャックの役を、ジョージ・クルーニーがやりたがっていたけれど、ビックスター過ぎるということで、監督に却下されたそうです。

リトル・ミス・サンシャイン
2007年のアカデミー作品賞にノミネート、東京国際映画祭での監督賞と最優秀女優賞を受賞したハートフル・ファミリー・ロードムービー。それぞれが問題を抱えたごく普通の家族が、娘を美少女コンテスト出場させるため、黄色いバスに乗って、アリゾナからカリフォルニアまで旅をします。目的を持ち、旅を続けることで家族の間に生まれるもの。さわやかな後味とコメディタッチの楽しさが持ち味の映画。


次ページは、南米・アフリカ・オセアニアの旅情を誘われる映画です。
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