恋の極意 上級
しなやかにパワフルに恋以外のことも愛せる女は愛される
ファンタジックなホテルに再び現れた副料理長キャスは、魅力にあふれ、誰にでも愛される |
ホテル・スプレンデッドほど、不気味で閉ざされた空間はありません。ファンタジックで、奇妙。そこで以前働いていて、シェフのロナウドとの恋仲だった副料理長キャス。彼女が、再び現れ、それによりホテルと人々は、さなぎから蝶が飛び出すように不思議な変化を遂げていきます。
ところで、恋より大事なものはありますか? たいていの人は、「もちろん」と、答えるのではないでしょうか?
でも恋に落ちてしまった段階では、恋は本当に本当に大切に感じます。キャスがホテル・スプレンデッドに戻ってくるのは暴挙とも思える行動なんですが、理由のひとつに恋もあるようです。
恋をすると、エネルギーが溢れてきて、今まで出来ないと思ったことができてしまったり、自分に対する考えが一気に変化したりします。取り巻く世界の見え方も変わります。強く大きくなれるのも恋のおかげ。
キャスは、ホテルを魔法の杖でも振るったかのように変えていきます。もし、キャスにそれほどのパワーがあるとしたら、恋のおかげだけではなく、恋プラス料理。キャスは、男性に恋する以上の愛を料理することにも向けます。
恋のパワーは、どんなところにもどんな時にも応用が効くものなのかもしれませんね。人を愛するのと同じように、行動や趣味や仕事や取り巻く世界を愛することができれば、魅力もパワーも倍増。キラキラ魅力的になって、より男性を惹き付けてしまうから不思議。キャスは誰かを好きだとしても、その気持ちに寄りかかることはせずに、別のことで全力を尽くし、魅力を高める方法を知っているのです。
でも、キャスも初めからそれほど物事を力強く変えていけたわけではありません。一度は傷心し、すごすご逃げていったこともあるのです。この映画のお話はリターンマッチ。傷つけばつくほど、よりしなやかでたくましくなることを忘れてはいけません。
キャスのようにパワフルになりたかったら、傷ついた過去や失なわれた恋は、立派な財産になります。何度でも恋を見つけて、自分の周りを愛し直すこと。そのたびにしなやかで芯が強くなり、周りに喜びをもたらすパワーは高まっていきます。それと同時に嫌でも愛されてしまうのです。
ヴェスパー、アリシア、キャス。三人の共通点は、愛されたい、モテたいと思っているわけではないところ。それなのにモテるし、愛されるのは不思議です。
人からどう思われるか気にするより、自分は、どう思っているのか、どうしたいのか、何を(誰を)愛したいのかはっきり自分で把握しています。それが本物の恋の極意なのかもしれません。
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