3位 ジュード・ロウ
『ホリディ』3月24日日劇3ほか全国一斉ロードショー(C)2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. |
ジュード・ロウは、72年暮れ生まれの34歳。12歳からナショナル・ユース・シアターに参加し、16歳から本格的に俳優業を開始。舞台歴が長く、初めに評価されたのも、舞台。トニー賞にノミネートもされています。その後、インディペンス映画に出演。傑作SF映画『ガタカ』で頭角を現し、人気を決定付けたのは99年の『リプリー』。美男俳優として、広く知られるようになります。
出演作も多く、哲学コメディ『ハッカビーズ』、現代に生きる美しい吸血鬼を演じた『クロコダイルの涙』、スティーブン・スピルバークの大作SF『A.I』、スナイパーを演じた『スターリングラード』、アメリカ南北戦争南軍兵士を演じた『コールドマウンテン』、トム・ハンクスをどこまでも追い詰める不気味な殺し屋を演じた『ロード・トゥ・パーデション』等、さまざまな役柄を、丁寧に演じています。
『ホリディ』3月24日日劇3ほか全国一斉ロードショー(C)2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. |
ちょっと物足りないのは、器用さと上手さにかまけて、たくさんの役柄をやりすぎて、「この役柄は、ジュード・ロウにしかできない」というような、ジュード・ロウ色というものが見当たらないこと。イギリス人らしく、ワンパターンなハリウッドスター的なカラーをシニカルに見ているのではないかと思います。そこが、バラエティな役柄をバラエティに見せてくれるジュード・ロウの魅力でもあり、中堅スターであり続ける理由なのかもしれません。意外にも、彼の出演作の中で最大のヒット作は『ロード・トゥ・パーデション』なのです。
新作は、全米週末興行収益3位の好成績を挙げたロマンチックコメディ『ホリディ』。3月に公開されます。アメリカに住む女性を演じるキャメロン・ディアスと、イギリスに住む女性を演じるケイト・ウィンスレットが、恋の痛手から立ち直るために、住居を交換し、新しい相手を見つけるという話。
そして、『コールドマウンテン』のアンソニー・ミンゲラ監督作品『こわれゆく世界の中で』は、ゴールデンウィークに公開予定。今年も、ジュード・ロウ作品はたくさん見ることができそうです。
2位 クライブ・オーウェン
『トゥモロー・ワールド』3.21DVD発売photography by Jaap Buitendijk |
まだ日本では知名度はまだ低いのですが、それも仕方ないところ。彼がハリウッドに進出し、ブレイクしたのは、ヒットメーカー、ジェリー・ブラッケンハイマー製作の歴史活劇、2004年の『キングアーサー』。それまでに、『グリーンフィンガーズ』や、マット・デイモン主演の大ヒット作『ボーンアイデンティティー』でも注目を浴びていましたが、英国のスーパースターでありながら、世界でのブレイクは、試みても阻まれていたのです。
自らも舞台で演じたヒット舞台劇『クローサー』の映画版で英国アカデミー賞のBAFTA助演男優賞を受賞、その演技は、各方面から大絶賛されました。『インサイドマン』では、終始顔を隠した銀行強盗を演じながら、気品を感じさせるという難しい役柄に挑戦、『すべてはその朝始まった』では、浮気して窮地に陥ってしまう普通のサラリーマン(普通の人を演じるのは、一番難しいのではないでしょうか)。ダークでスタイリッシュな世界観を描いた『シン・シティ』では、男の美学を貫く主人公の一人を演じました。
『クローサー』では、クライブ・オーウェン、ジュード・ロウが共演。クライブはアカデミー賞にもノミネートされた。 |
『すべてはその朝始まった』で共演したジェニファー・アニストンは、彼のことを「人間のもろさを表現できる陰のあるハンサム」と形容し、監督は「言いようのない雰囲気をかもしだし、目が離せなくなる。目で物語ることができる俳優」と言っています。飛躍のきっかけとなった『キングアーサー』のフークワ監督は、「聡明で存在感とパワーと気品がある」と形容しています。
新作は、2007年夏全米公開予定のアクションスリラー『Shoot 'Em Up(原題)』で、『サイドウェイ』のポール・ジアマッティ、『マレーナ』のモニカ・ベルッチと共演。2007年秋全米公開の、『エリザベス』の続編『The Golden Age (原題)』で、ジェフリー・ラッシュ、ケイト・ブランシェットと共演。さらに『シンシティ2』が控えています。トップランクのスターの位置を築き上げた今、日本での人気もさらに上昇していくのではないでしょうか?
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