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青島幸男がバラエティに残した偉大な功績(2ページ目)

突然の訃報を受け、追悼記事やTVでの特集を頻繁に目にしますが、ここではあくまでも、青島幸男がテレビ界に築いた様々な足跡を振り返ってみます。ある意味、それは政治面での活動を遥かに上回っていました。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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後世に残したい珠玉のクレイジー・ソング

 
青島だァー~明日があるさ/青島幸男作品集
ナンセンスでクールでアナーキーな青島作品の魅力が、もっとも反映されているのは、やっぱり「スーダラ節」をはじめとしたクレイジーキャッツによる一連のヒット曲でしょう。大半が青島幸男作詞、萩原哲晶作曲のコンビによるものであり、今聞いてもまったく古さを感じさせません。

その理由はやはり、先ほどから繰り返しているように、日本的な湿っぽさがスッパリ排除されていたからではないでしょうか。「わかっちゃいるけどやめられない」なんて、誰もが思っていても決して口にできなかったフレーズでしょう。

このヒットに乗じて「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ」という映画が制作されたのですが、従来の人情コメディの域を出ない作品でした。どうやら歌に込められた精神を、誰もが理解していたわけではないようです。それから半年後、植木等を主演に、青島作品のテーマを見事に映像化した、あの「ニッポン無責任時代」が公開され、日本全国に大ブームを巻き起こしました。

「ホンダラ行進曲」が持つ凄み

その後も多くのクレイジー・ソングが発表され、多くのヒット作が生まれました。そんな中であえて一曲を選ぶとすれば、青島幸男自身が最も気に入っていると語っていた「ホンダラ行進曲」でしょう。

「♪一つ山越しゃホンダッラタホイホイ~」で始まる不思議な歌詞は、具体的な事を何ひとつ語っていないのに、何となく人間の本質的な部分を突いいるっぽい、ある意味、哲学的な歌と言えます。メロディはどことなく、藤山一郎の名曲「丘を越えて」を思わせるものがありますが(と言っても、決してパクリではなく)、歌われている内容が、まったく正反対な所も非常にシャレています。

いったいどのようなバックボーンから、これだけの名作が生まれてきたのか。まさに不世出の天才と呼ぶしかありません。元東京都知事という肩書きがあるために、追悼記事も政治家として捉えたものが多いようですが、日本の笑いを大きく変えたキーパーソンとして、今後改めて評価する必要があると思うのですが。

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