ラジオやテレビのトーク番組などでよく芸人さんは「若者にからまれる」という話をします。「ものまねしろ!」「ギャグをやれ!」挙句の果てには「金を出せ!」などと言われるようです。普段からイジられたり、罰ゲームなどで悲惨な目にあっているからでしょうか。とかくお笑い芸人は低いポジションに見られがちです。しかし芸人も能力値によって様々であることを前提に、一ついえることは「お笑い芸人はとても誇り高き仕事であり、決して低いポジションの仕事ではない!」ということです。

では私がそこまで声を荒げる理由を、お笑い芸人=「ネタ」とミュージシャン=「曲」の観点から述べてみたいと思います。

曲作りとネタ作り、同じ創造性にみる寿命の差異

稽古するお笑い芸人のイメージ
ネタの稽古をするお笑い芸人のイメージ。夜な夜な人気のない公園でよく目にする光景です。
とあるミュージシャンが一つ新曲を作りました。それはシングルCDとして発売され、音楽番組でも何度か披露されます。トークのコーナーでは、曲が出来たエピソードが語られたりします。

「NYの事件にインスパイアされて、平和へのメッセージを伝えるために作りました。」
「聴いてください。『Endless Love』

カッコいいですよね。平和への願いを曲に込めて唄いあげるなんて様になります。しかもこれがミリオンセラーなんて記録しようものなら、しばらく食べていけます。

一方、とあるお笑い芸人も新ネタを作りました。むろん一つのネタのためにシングルCDはおろかDVDも出ません。それどころかネタ番組で何回か披露すると「また同じネタかぁ」と思われ、逆にマイナスイメージを与えます。当然、ネタ作りの秘話なんてシャレたものはなかなか語られません。

「ファミレスのおっちょこちょいな店員にインスパイアされて作りました。」
「ご覧ください。『ハンバーグ』

これはこれでちょっと観てみたい気はしますが、基本的にミュージシャンと比べてカッコよくないですよね。そして短命。ネタの命はセミに匹敵するくらい短いです。

ライブにみる「受け手」のスタンスの違い

さて、先程のミュージシャンは曲がたまったのでライブをすることにしました。しかも「東京ドーム」で50,000人。ライブに足を運ぶお客さんは事前にアルバムを買い、唄を覚え、練習のためカラオケにも行きます。ライブ当日はミュージシャンが客席にマイクを向け「イェイイェイ!ウォウウォウ!」大合唱の大盛り上がりです。場合によっては「観客」より「歓客」という表現が正しいかもしれません。

では、お笑い芸人のライブはどうでしょうか?