しかしそこから「レッスンを積んでいないと宝塚音楽学校には合格できない…」といった風評が根付き、強いては「タカラジェンヌになりたい!」と思っていても、受験することすら諦めてしまう少女たちも大勢生まれてきてしまったのです。
その現象は、年々ヒートアップしてきたように思えます。また少子化の問題も否めません。
今回の入試方法変更の「なぜ?」は、そうした風評が流れる根本を改善し、全国からの受験者数を増やすためです。
そのため、以前なら「無理だわ…」と諦めていたレッスン未経験者や地方の少女たちも受験しやすいよう、内容を変える、実技試験のレベルを下げるなどの変更が行われます。
門戸を開け、敷居を低くし、少しでも受験者を増やし、その多くの人材の中から素晴らしい逸材を見つけ出すためです。
どう変更されるのか?
下記の表を見ていただければもうおわかりでしょうが、1番大きな変更は、1次試験は面接のみとなった点です。
2008年まで | 2009年より | |
1次試験 | 声楽(課題曲)、バレエ、面接 | 面接 |
2次試験 | 声楽(課題曲・新曲視唱・コールユーブンゲン)、バレエ 面接 |
面接、歌唱、舞踊 |
3次試験 | 面接、健康診断 |
そしてその実技の呼び名が、【声楽】は【歌唱】に、【バレエ】は【舞踊】に変わります。
いかにも専門的な呼び名から、誰もが踏み出しやすい柔らかいイメージのものとなりました。
内容も変わります。
■歌唱
2008年までの【声楽】では2次試験にコールユーブンゲン(5度音程)を歌うという“声楽の専門的な教則本を習得する”という内容のものがありましたが、21年度の変更時は【歌唱】では課題曲のみ。その後、新曲視唱(コールユーブンゲン5度音程終了程度の旋律)もプラスされました。
声楽のテクニックがどれだけあるか…?ということより、声質や声量、音程などを審査する試験に変更されました。