毎年、宝塚歌劇団が「年度賞」を発表し、その中に「レッスン奨励賞」がありますが、それは劇団レッスンに多く出席した生徒に贈られるご褒美です。
つまり「何組の誰が何日の何のレッスンに出たか……」。歌劇団はそれを把握しているということ。
毎レッスン、歌劇団の誰かが出ている生徒をチェックする? まさか…。
各レッスンの教室の入り口には用紙と鉛筆が置いてあり、毎回始まる前に自分の芸名を書き込む自己申告制だからです。
どんなに上級生になっても日々精進。そのためにこの劇団レッスンは素晴らしい存在で、なくてはならないもの。
タップや日舞など毎公演踊るものでないものは、劇団レッスンで常に慣れておくことができます。
オフの長い生徒は体が鈍ってしまいがちですが、レッスンに出ていればそんなこともありません。
また講師の先生方の中に公演のスタッフの先生が多いというのも利点。例えばダンスなら、その先生のレッスンを受けていたからこそ公演の振付の際に理解しやすいということもあります。
多くのレッスンを受けられるという恵まれたシステムである他に、劇団レッスンの楽しみがあります。
それは……他の組の生徒に会えること。
組が違うとなかなか会うこともできない他組の生徒、同期生などと会え、いっしょにレッスンできるのはうれしいものです。
また、他組の生徒の実力を感じることができたり、そこから学ぶものもあったり。
他組のスターさんのそばでレッスンが受けられるのも、劇団レッスンの楽しみでしたね。
魅力いっぱいの劇団レッスンですが、忙しい時、疲れている時などは「出たくない…」なんて正直誰もが思うものです。
公演中であれば公演を、稽古中であれば稽古をまず優先し、それでも可能であれば出る…。そうしたスタンスで、生徒たちは毎日頑張っていることでしょうね。