「私の娘達」と呼ぶ生徒に対しての愛情の深さには驚きます。
スターから新人にいたるまでその活躍を喜ばれ、実力のある生徒の活躍の場がないと悲しまれ、引っ張りだこのスターの健康を心配され……。
現役生徒のみならず卒業生に対しての愛情も変わることなく、その後の活躍を喜ばれたり心配されたり。
ファンからの手紙(歌劇団に対する不満なども)も度々掲載され、中には紙面上でお詫びなさるなど、ファンの声をとても大切にしていらしたことを痛感します。
さて、この時代の主なスターらは(以下敬称略)、天津乙女、春日野八千代、神代 錦、越路吹雪、乙羽信子、故里明美、淡島千景、明石照子、新珠三千代、八千草 薫、淀かほる、寿美花代ら…。
主な作品は『虞美人』『源氏物語』『シャンソン・ド・パリ』『ジャワの踊り子』などです。
「大衆が喜ぶ、新しい高尚な国民劇を……」…。そのために常に時勢の先にたち、宝塚を育て見守った小林一三先生。
時代は変われども思いは変わらず。だからこそ、この時代をご存じない方でも興味深く読んでいただける一冊でしょう。
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