Bow――船の舳先。新しい時代へのさきがけとなるよう名付けられた宝塚バウホールは、今年開場30周年を迎えます。
開場されたのは1978年(昭和53年)3月18日。
竣工式では、天津乙女、春日野八千代、梓真弓が祝舞「三番叟」を舞い、柿落とし公演は、安奈淳主演による花組『ホフマン物語』
でした。
場所は宝塚大劇場の隣り。宝塚大劇場に通じる中央入口を入ったすぐ左横に階段があり、そこを上るとバウホールになっています。
キャパ数は526席。
舞台の間口16m、高さ7m、奥行14m。
出演者は多くて30名ほどで、本公演の半分以下。
公演日数は作品によって違いますが、長くて約10日間。
銀橋や大階段をはじめ、宝塚大劇場、東京宝塚劇場にはある大掛かりな舞台機構はありません。
オケボックスもないため、音楽は生オーケストラの演奏ではなく録音(一部“舞台上にバンドをセッティングして生バンド”というものもありますが…)。
大劇場での「これぞ宝塚!」といった豪華絢爛な作品が上演されるわけではないものの、このバウホールは大きな功績を残し、現在もそれは続いています。
バウホール公演とは
バウホールで上演される作品は、本公演とは違い、その形態も様々です。
主なものは、約2時間半の一本立てのミュージカル。
バウホールという空間、少人数で演じるからこそ面白い作品内容です。
またストレートプレイに近い作品も上演されています。
主演は、トップスター(主演男役)や二番手スターの場合もありますが、若手スターを起用するのがバウホール公演の大きな特徴。
“バウ・ワークショップ”と題された作品は、若手を主演に起用したもの。同じ作品を各組で上演したり、一つの組の中、出演者を分け2チームで上演したり。
またダンス中心のショーなども。
他、歌を中心とした“エンカレッジ・コンサート”、トップスターのリサイタル、劇団レッスンのレッスン発表会など様々な形態の作品が上演されています。
バウホール作品の中には、バウホールで上演した後、東京でも上演されるものもあります。
歌劇団の公演ではありませんが、宝塚音楽学校の文化祭が上演されるのもバウホール。
式典や、宝塚歌劇団葬が行われることもあります。
宝塚歌劇の公演のない期間は、貸しホールとして一般にも貸し出しており、元タカラジェンヌの公演や、バレエの発表会なども行われています。