江戸初期……う~ん、三代将軍・家光の頃なら、娘役さんも下の方に付けますが、綱吉の頃になると上の方に付けるでしょうし、いなせな町人と、貫禄を見せたい武士とでも違うでしょう。
若い娘なら分厚いものを、お年よりなら薄いものを。
そんな風に胴布団は、和服姿を綺麗に見せるだけではなく、その役を表現もできる大切なものなのです。
では、胴布団は誰が作るのか……?
生徒さん自身で作ったり、お母さんや、その手のことに慣れているファンの方に頼んだり、衣装部さんが作ってくれる場合も。
着脱もしやすいように、腰紐で結ぶのではなく、マジックテープが付いています。
まぁ、当たり前か。
さて――胴布団など体を補正するものは、日本物だけには限りません。
それはまた、次回に。
体を補正するアレコレ
【98号 2003年1月17日】
体を補正するもの第2号!
今回は――洋物編――
随分前にお話しましたが、男役さんは、胸を平に見せるため“胸押さえ”というものを付けています。
(わからない方はガイド記事の「宝塚用語集」へGO!)
胸押さえで胸を平にしても、まっ平にはなかなかならないのと、体に厚みを見せるため、鎖骨の辺りに薄い布団を付けたりします。
これは胸布団。
それから肩パット。
男っぽく見せる必需品ですよね。
男役さんの衣装にはほとんど付いていますが、なで肩の人は、自分でもさらに付けたり。
胸押さえ、胸布団、肩パット……どれを付けるか……。
これは、その生徒さんの体型によってまちまち。
華奢な人は全部付けるでしょうし、全く要らない人も。
また、衣装によっても違ってきます。
レオタードのような衣装では透けて見えたりゴワゴワしたりするので付けられません。