そしてもう一つの基礎知識は、男性の役を演じる“男役”と、女性の役を演じる“娘役”に分かれていることでしょう。
この男役と娘役は、どのようにして分けられるか……それをお話しましょう。
どうやって決める?
男役になるか、娘役になるか……。 実は、「貴女は男役!」「貴女は娘役!」と誰かがはっきり決めてくれるものではありません。
最終的には本人が決めます。
では生徒本人は、どうやって決めるのでしょうか?
やはり一番の基準は身長。身長の高い人は男役に、低い人は娘役に。
どんなに男役がやりたくても、150cm台では無理ですし、170cmもある娘役は……相手役が困っちゃいます。
ただ「何cm以上ならば男役」という明確な基準もありません。
その時代によって違ってきますが、現在なら163~165cm辺りがボーダーラインでしょうね。
こうしたボーダーライン上の生徒は「私はどっち?」と迷います。
その時に決め手となるのは「私は男役がやりたい!」「娘役がやりたい!」という自分の意思や、「顔立ちが男役に向いている」「声が高いから娘役の方が…」といった理由など。
また自分の意思だけじゃなく、先生や恩師、同期生など周りからのアドバイスも参考になるでしょう。
元月組トップ娘役の黒木 瞳さんも男役に憧れて入ったところ、娘役を勧められ、娘役志望にされたとか。
音楽学校時代、ずっと髪の毛も長くしていらしたので、男役の夢は早々に断ち切り(?)、娘役志望に変えられたのでしょう。