宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

専科・樹里咲穂―退団(2ページ目)

2005年9月23日――専科の樹里咲穂さんが、宝塚歌劇団を卒業しました。宝塚きってのエンターティナーと評され、常にOnly Oneを目指し、そうあり続けたスター。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

彼女の転機となった『WEST SIDE STORY』のアニタをはじめとするダイナミックなダンス。
‘New York New York’や『ファントム』の‘You are my own’など、聴いている者の心を震え動かす歌唱力。
入団以来、宝塚で上演された海外ミュージカルの中、「ハウ・トゥ・サクシード」以外にすべて出演しているのも、特筆すべき点でしょう。

芝居にいたっては……女役から、どーしようもないチンピラまで。軍服姿の王子様やヒゲの似合う大人の男から、三枚目まで。
彼女が演じると、そのどの役もが魅力的で、愛おしい人物に感じられました。

リカルド、デュシャン、カルメン、レオン…など、死んでしまう役が多かったのも、それをじっくり見せ、何かを感じさせることの出来る彼女の表現力の高さゆえでしょう。

周りを楽しくさせるセンスのよさも抜群で、TAKARAZUKA SKY STAGEではトーク番組のパーソナリティーを務めるなど、生徒たちもファンの方々も、彼女から元気や温かさをたくさん貰いました。
でもその反面、人一倍繊細で、誰よりも真面目で、もしかしたら不器用な人なのかもしれません。

戦い抜いたじゅりちゃんは、劇場という空間を、様々な感情でいつも満たしてくれました。
舞台人という存在が、観客に様々な感情を与える者…だとしたら、樹里咲穂は最上級の舞台人。
鳴り止まぬ拍手の似合う大スターでした。

男役スター・樹里咲穂には終わりがきましたが、退団後も女優として活動します。
まずは、大先輩、鳳蘭さんとの共演です。

ミュージカル・ヴォヤージュ
  『ベルリン・トゥ・ブロードウエイ』~with Kurt Weill~

●出演者
  鳳蘭/土居裕子/樹里咲穂/植本潤/藤本隆宏

・11月24日(木)~11月27日(日)
 ル テアトル銀座  
・12月3日(土)
 知立市文化会館  
・12月5日(月)~12月6日(火)
 シアター・ドラマシティ

・問
 宝塚クリエイティブアーツ(03-3503-5030)
 東京音協(03-3201-8116)
 梅田芸術劇場(06-6377-3888)


これからも、 観客を、貴女の周りにいる人々を、様々な感情で満たし、幸せにして下さい。

じゅりちゃん…お疲れ様…
そして…ありがとう!


 

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