宝塚ファン/宝塚歌劇の舞台とバックステージ

スタッフの稽古期間中―振付家編(2ページ目)

群舞、デュエット、ソロ etc……。洋物でも日本物でも「振付」にかける稽古時間はとても多いです。宝塚の魅力であるダンス場面は、どのように作られてゆくのでしょうか…?

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

この初めての振付の段階で、音符にしたらわずか4分音符1拍の振りに何分もかけ、みっちり教える先生もいますし、“まずは振りを覚えることが優先”の先生もいます。

日本物での日舞も同じこと。
普通、日舞では「ワン、トゥー、スリー、フォー」といったカウントで振付をしませんが、宝塚ではカウントで。つまり、宝塚で振付される日舞の先生方は、カウントで振付できる、譜面も理解していらっしゃるということです。

ご存知のように、全員が全員、同じ振りを踊るわけではありませんし、一つの曲の中、生徒は入れ替わり立ち替わりします。それを一つずつ振付し覚えさせてゆくには、相当の時間がかかるわけです。
ですからプロローグなどのように、生徒ほぼ全員が踊る場面など、2日間にわたり振付が行なわれます。


振付が終わっても、振付の先生の仕事はそれで終わりではありません。その後何度も、場面ごとに稽古をします。

稽古も終盤に差し掛かると、各ダンス場面の「振り固め」というものが行なわれます。これはダンスの仕上げの稽古。

他にも……舞台を使って稽古をする場合もあります。
例えば、盆や大階段を使うダンス場面。これらの場面は、舞台稽古に時間がかかってしまうので、それ以前に稽古着のままで舞台を使って稽古するのです。

また初舞台生のラインダンスや銀橋渡り、大階段下りなども、稽古期間中に振付の先生によって舞台で稽古をします。

そして、稽古場での通し稽古、本番同様の舞台稽古へと進んでゆくわけです。


振付の仕方、これこそその先生によってまちまち。
その場で考え振付する先生もいますが、ほとんどの先生は振りを事前に考えておき振付します。

ダンス用語で振りを記した譜面やノートを参考にしながらや、その先生にしかわからない絵コンテのようなものを参考に振付する先生もいます。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます