舞台前のオーケストラボックスよりもさらに全面に出ているエプロンステージ――それを銀橋(ぎんきょう)と言います。この銀橋も、宝塚ならではの舞台機構。
ここを本舞台と同様、もうひとつの舞台として使います。ここで芝居をし、踊り歌い……。幅はわずか120cm。
まず――銀橋にはどんな効果があるのでしょうか…?
場面転換
銀橋でひとつの場面を作っている間、本舞台の場面転換が行えます。
例えば……芝居がどこかに向かって歩いている設定だとします。本舞台から銀橋を渡り、そして本舞台に戻る。銀橋を「道」にしてしまうのです。その間に、本舞台は別の場面へと転換しています。
またショーなどでは、特に場面設定せず“もうひとつの舞台”として使うことが多いですね。もちろんその間に、本舞台は次の場面へと……
お客様に臨場感を与える
前列に座ると、もう手が届くところにタカラジェンヌがいます。後列や2階席に座っていても、本舞台より近くに感じられるわけです。
ショーのフィナーレのパレードで、タカラジェンヌがずらーっと銀橋に並ぶ場面は、それはそれは豪華。
大好きなスターさんが、本舞台よりも近くで見える……タカラジェンヌの額の汗も、衣装の細部も見れるお客様にはうれしい「銀橋」ですが、やっぱりここでも、タカラジェンヌのご苦労が。