『風と共に去りぬ』は長年何度も、様々な組で、また様々な形態で上演されてきました。
“バトラー編”“スカーレット編”などとサブタイトルを付け、スポットを当てる主役を変えたり、バトラーとアシュレを交代して演じる役替わり公演、他の組のスターが特別出演するなど。
この形態、ナニかと似ていませんか? そう『ベルサイユのばら』と同じですね。パターンや脚本を変えることによって、新しい『風と共に去りぬ』が生まれる……。ファンの方々はいつも新鮮な気分で接することができるのではないでしょうか?
前出の“スカーレットを男役が演じる”も、オスカルを男役スターたちが演じてきたのと同じです。ただ、オスカルは女性であっても男装の麗人。スカーレットはドレス姿の見かけも完璧な女性。男役スターのドレス姿やラブシーンも、この『風と共に去りぬ』の大きな見所と言えるでしょう。
さて、これまでの『風と共に去りぬ』と今回の違うところ、それは、芝居を中心にという点でしょう。宝塚名物(?)のフィナーレはありません。出演者の数も約40名と、通常の公演より大幅に少なくなります。またこれで、新しい『風と共に去りぬ』の誕生です。
レット・バトラーに扮するのは、専科・轟 悠さん。バトラーを演じるのは、なんと今回で三度目。轟さんはバトラーと相対するアシュレも演じた経験もあります。
アシュレには専科・湖月わたるさん(初役)メラニ-には同じく専科の檀れいさん(二度目)。
専科生11名は初日から千秋楽まで続投しますが、その他の出演者は、前半(4月6~16日)を雪組からの抜粋メンバー、後半(4月18~29日)を花組からの抜粋メンバーが出演するのも大きな目玉でしょう。
注目のスカーレットには、前半が雪組の朝海ひかるさん、後半が花組の瀬奈じゅんさんが初役で演じます。
日生劇場のお隣、ホームグラウンドである東京宝塚劇場では、月組によるブロードウェイ・ミュージカル『ガイズ&ドールズ』が3月29日より上演されています。10分ほど歩いた帝劇では、昨年退団した花組トップスター・愛華みれさん主演の『チャーリー・ガール』が4月4日より上演。
日比谷の劇場を――宝塚歌劇がジャック!――と言ったところでしょうか?
『風と共に去りぬ』舞台写真は
「メディアで知る宝塚歌劇」産経新聞Web芸能文化面等で
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