一部の新聞で報道され、翌日28日に記者会見(産経新聞より)が行われた。「ひとつの組に留まらず、宝塚全体の頂点に立ってもらいたい。宝塚や男役のありかたを継承し、それを後進に教え伝えてゆける人は、轟さんしかいない」――これが歌劇団側の意向。それを受け「宝塚が、男役が大好きだから、この先も全うしたい」――これが轟さんの答え。
来年1~2月の東京宝塚劇場雪組公演『愛燃える』『Rose Garden』に出演した後、2月12日付で専科に移籍する。尚、後任の雪組新トップスターはまだ発表されていない。
雪組トップスター・轟 悠さんを簡単にご紹介すると――
1985年 花組『愛あれば命は永遠に』で初舞台。
その後月組に配属され、1988年に雪組に組替え。
1989年 『ベルサイユのばら』アンドレ役で新人公演初主役。
1992年 『恋人たちの神話』バウホール公演初主演。
1997年 『真夜中のゴースト』『レ・シェルバン』で雪組トップ
スターに。
2000年 『凱旋門』の演技を評価され、第55回芸術祭・
演劇部門優秀賞受賞。
まだあどけなさが残っても当たり前の下級生の頃から、彼女は“男役”だった。実力も抜群、彫りの深い端正な顔立ち、観客からの注目度も高く着実にトップスターへの道へ。その集大成が『凱旋門』においての芸術祭受賞と言えよう。芸術祭で受賞したタカラジェンヌは過去にもいるが、現役の生徒では彼女だけ。