男役が女の役を演じると、娘役が演じるのとはまた一味違った色気やかわいさが出てきます。普段の公演では娘役をリードするかっこいい男役さんが、フェルゼンへの恋心やアンドレとのラブシーンで“女”を出すあたり、ブロンドのロングのカツラもプラスされ、ファンのハートを射止めました。
そしてベルばらは様々な形態で上演されてきました。
一番最初に上演されたものは劇画通り、アントワネットを主役として描かれていますが、その後オスカルとアンドレ編、フェルゼンとマリー・アントワネット編、オスカル編、フェルゼン編などのように少しずつ脚本も変え、上演する組のカラーに合う主役作りをしました。
また日程を分け何人かの生徒が一つの役を演じる“役替わり”、他の組のスターが特別出演する形態もとられました。こうすることによってファンは何通りものベルばらを観劇でき、また観劇したいと思ったわけです。
さてここで、四人の主役を演じたタカラジェンヌを役名別に ご紹介しましょう。(敬称略)
《初演――昭和49年8月~昭和55年5月》 | |
フェルゼン | 大 滝子、鳳 蘭、松 あきら、常 花代、美里 景、汐見里佳 |
アントワネット | 初風 諄、高宮沙千、上原まり、城月美穂、邦月美岐 |
オスカル | 榛名由梨、汀 夏子、安奈 淳、松あきら、順みつき |
アンドレ | 榛名由梨、但馬久美、麻生 薫、松あきら、瀬戸内美八、美里 景、麻実れい |
《再演――平成元年8月~平成3年9月》 | |
フェルゼン | 大浦みずき、日向 薫、朝香じゅん、紫苑ゆう、麻路さき、高嶺ふぶき |
アントワネット | ひびき美都、仁科有里、毬藻えり、鮎ゆうき |
オスカル | 紫苑ゆう、杜けあき、安寿ミラ、涼風真世、真矢みき、一路真輝、大輝ゆう |
アンドレ | 大浦みずき、日向 薫、朝香じゅん、杜けあき、麻路さき、海峡ひろき、愛華みれ、天海祐希 |
こうして見ると、退団された今も、その多くの方々が芸能界で活躍されていますね。