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相棒の次で踊る以上・伝説の刑事ドラマとは(2ページ目)

「もう一度見たい刑事ドラマ」アンケートのベストテンを見ると三位がかなり予想外。知る人ぞ知る伝説の刑事ドラマとは?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

刑事ドラマのスタイルを確立

三位は……『七人の刑事』です。

『七人の刑事』はTBS系で1961~1969年に放送された作品です。警察を舞台にした連続ドラマは日本テレビ系で1957年から放送された『ダイヤル110番』という先行作があるのですがセミドキュメンタリータッチのドラマで現在イメージする刑事ドラマというのとはちょっと違いました。刑事ドラマのスタイルを確立したのは『七人の刑事』だといわれています。

名作たるゆえんは、社会性をもったストーリーだったこと。刑事の人間性を出すという方針始まりましたが、だんだん犯罪者の人間性も描くようになり、それをつきつめて「犯罪は社会の矛盾から起きる」という視点から社会の不条理に切り込むようになったのです。

名作だとは聞いていたのですがこれほど人気があったとは。正直びっくりしました。

もう一度見られない

相棒 season 1 DVD-BOX
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ただ『七人の刑事』が選ばれるのが当然だという考え方もあります。それはアンケートの設問が「もう一度見たい名作刑事ドラマ」であることです。

70~80年代の名作はスカパーなどで見られるし『古畑任三郎』や『はぐれ刑事純情派』は地上波で再放送をよくやってます。「もう一度みたい」といったって、みようと思えば見られます。さらに『踊る大捜査線』は7月に映画が公開されるし『相棒』は10月からは新作ドラマが放送されます。まあ、それでもみたいから名作なんですが。

ところが『七人の刑事』はもう一度見られません。昔の刑事ドラマの多くは映画会社主体で制作されたフィルムで撮影されたテレビ映画だったのですが、『七人の刑事』はTBS主体のビデオ収録でした。ビデオテープが高価だった時代のため、放送されたものの多くは上書き録画されてほとんど残ってないんです。
かくいうガイドも世代的に見ていません。78年に新シリーズが制作されて、こちらは見ていますが時代が違うからか不発に終わりました。

それから調査対象という要素もあります。朝日新聞の無料会員ということで年齢層が高そうです。60年代に放送された『七人の刑事』はいわゆる「団塊の世代」層が二十歳前後でみていたでしょうから、このアンケートにたくさん票を投じていそうです。

しかしそういった要素を差し引いても三位というのはすごい。見たくなりました。しかし残念ながら見られません。

モデルは実在した伝説刑事

刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史(文庫)
刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史(文庫)
ちなみに『七人の刑事』の主人公は芦田伸介演じる澤田部長刑事。よれよれのレインコートという『刑事コロンボ』の先を行くスタイルでしたが、そのモデルといわれてるのは警視庁捜査一課刑事・平塚八兵衛。
昨年、渡辺謙主演、テレビ朝日が開局50周年記念番組『刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史』としてドラマ化、帝銀事件、下山事件、吉展ちゃん誘拐事件、三億円事件など昭和の大事件を取り上げてヒットしました。しかしまだDVD化されていませんね、残念。
こちらは映像はもちろんあるのだから早期のDVD化を望みたいところです。
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