ドラマ/夏ドラマ情報

7月概況:高齢化社会を斬る『任侠ヘルパー』(4ページ目)

かつてないほどばらけてスタートする夏ドラマ、7月スタート分で印象的なのは高齢化社会を意外な切り口からするどくえぐるこのドラマです。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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2話からどうなる

まだ一週目だけの「犬」と「猿」は暫定ポジション。
『オルトロスの犬』は「予測不能でスピード感のある」ミステリーというのがウリですが、初回は主人公が刑務所を出るまでを描いた序章という感じで、予想外でもなくスピード感があるともいえません。次回からエンジンがかけられるかが勝負です。しかし金曜ドラマでは超科学的設定はなじみにくい感じも残り苦戦しそう。

『猿ロック』は遅い時間のスタートということもありメインのレギュラーは市原隼人、芦名星、渡部豪太、高岡蒼甫と若手のみで制作費は安そう。それでもドラマってこんなもので十分じゃないかというぐらいのおもしろさはありコストパフォーマンスとしては優れています。猿丸耶太郎(市原)と山本(渡部)の「女性への下心だけで動く」わかりやすさはテレビドラマ過去最高じゃないでしょうか。

低迷

『恋して悪魔』はジャニーズ事務所が強力にプッシュする中山優馬主演ですが、ファン層の十代以外にもみられるようなドラマをつくってくれないと困ってしまいます。それでも視聴率がまだあるところが主役をはじめとした俳優の人気がすばらしいというべきでしょうか。

そして『コールセンターの恋人』。『任侠ヘルパー』と同じく「クレーム処理」というキツい職場ですがこっちはコメディ風味。しかしこの素材は『社長をだせ!』と『となりのクレーマー』と実録ものベストセラーを原作にリアルに描いた単発ドラマがおもしろかったので、真正面から描いてほしかったですね。脚本は『ハケンの品格』の中園ミホで主演も『ハケン』出演の小泉孝太郎。『ハケン』は「いつもつらい思いをしている派遣社員にもみてもらいたい」というコメディにした理由は納得なんですけど、『コールセンターの恋人』まで同じ調子だと二番煎じとしかいえません。


残る8月スタート分で注目は『こちら亀有公園前派出所』と『救命病棟24時』。特に『救命病棟』は総集編に毛の生えたような『救命医・小島楓』でもなかなかの視聴率、スタートを待っている人は多いようです。8月に再度まとめなおさなくてはいけませんね。



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