ドラマ/夏ドラマ情報

7月概況:高齢化社会を斬る『任侠ヘルパー』(3ページ目)

かつてないほどばらけてスタートする夏ドラマ、7月スタート分で印象的なのは高齢化社会を意外な切り口からするどくえぐるこのドラマです。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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期待はずれ

今回最大の期待はずれは『華麗なるスパイ』。2週目で一気に初回比マイナス7%と盛大に下降しています。クールだけどズッコケた主人公だとは聞いていましたが、ドラマまでズッコケてどうする。しかしそれも一回みれば納得。コメディとしてほとんど笑えないし「ハリウッド映画さながらのスケール」といってたわりには全体にセコさが漂っています。

対して『官僚たちの夏』は4週かけてじわじわ落ちてきたのでまだ同情?の余地があります。狙いとするところはプロジェクトXなんでしょうね。第1話が自動車、2話がテレビ、3~4話が繊維産業、次回はコンピュータといろいろな産業を描くために通産官僚を主人公にした原作を選んだようです(原作は法律づくりの攻防が中心でそんなにいろいろな産業を描いているわけではない)。しかし初回2時間スペシャルは国民車づくりが中心でひさびさにTBSらしいしっかりしたドラマで楽しめましたが、2話以降は官僚同士の会話が中心で産業側があまり描けてないのが人気低下の原因でしょうか。
それにテーマ的には現時点で放送するにふさわしいものでしょうか。日本の産業を保護せねばいけない、というのは自由主義の行き過ぎがいわれる昨今だから理解できます。しかし国民のことを考えているのは政治家ではなく官僚だ、というのは現在の流れの逆です。『任侠ヘルパー』と同じく、今はダメだが昔の官僚はすばらしかったんだ、ということなのかもしれませんが違和感は残ります。
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