泣けるドラマは十年に一度

日本の「泣けるドラマ」について考えてみると、爆発的にヒットした作品はだいたい十年周期で登場しています。

『愛と死をみつめて』(64'TBS)
『赤い疑惑』    (75'TBS)
『おしん(少女編)』(83'NHK)
『ひとつ屋根の下』 (94'フジ)
『1リットルの涙』 (05'フジ)

タイトル通り泣ける『1リットルの涙』は他の作品に比べるとやや小粒な気はしますが、同時期に韓流ドラマの『冬のソナタ』、小説・映画・ドラマの『世界の中心で、愛をさけぶ』が大ヒットした中での日本ドラマの代表ということで。

ともかく「泣けるドラマ」は時代を問わず求められていて十年に一度それが爆発するようです。

現代が舞台だとやりにくい

ベスト オブ 財津和夫~サボテンの花“ひとつ屋根の下より
『ベスト オブ 財津和夫~サボテンの花“ひとつ屋根の下より』(パイオニアLDC)
さて、この記事で主に取り上げるのは『ひとつ屋根の下』ですが、十年周期に大ヒットする「泣けるドラマ」の中でこのドラマならではの特徴があります。唯一、昭和(およびそれ以前)の話ではないということです。『愛と死をみつめて』と『赤い疑惑』はリアルタイムに昭和、『おしん(少女編)』は昭和から明治を振り返り、『1リットルの涙』はドラマは現代ですけど、原作は80年代。

昭和中心なのは、泣けるドラマのテーマが主に「純愛」か「家族愛」またはその両方というのが原因でしょう。恋愛のカセが少なくなり「純愛」がやりにくく、また個人主義が強まって家族の一体感が弱まり、「家族愛」も説得力を持つのが難しくなっています。

そんな時代に家族愛をテーマにした『ひとつ屋根の下』は「現代で昔のような家族関係は成り立つのか」ということを考えてドラマが組み立てられているように思えます。

現代を舞台に泣けるホームドラマを成立させるポイントになっているのは

・みんなで共通の目的を持つ
・血のつながりだけじゃない
・次々と起こる問題を家族の中で解決

の三点だと思います。


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