20時台の連ドラというと木曜のテレビ朝日・東映京都ミステリーとNHKのドラマ8や時代劇ばかり。直接比較できそうなのは月曜の『水戸黄門』を放送していない時の現代劇、今だと『あんどーなつ』と土曜20時の前作『ROOKIES』ぐらい。それで『あんどーなつ』の初回視聴率は11%台、『ROOKIES』は12%台。『ROOKIES』が最終回視聴率19%台までのばしたのを引き継いだということを無視してもかなり低い結果です。
ガイド記事「夏ドラマ最終ラウンドは夏休み学園もの対決」で『恋空』は「ティーン層の圧倒的な人気がどこまで一般に広がるのかが勝負で要注意」と書きましたが、内心「広がらなければコケる」と思っていました。
その理由は三点あり
・ヒットドラマの映画化は成功するが逆は真ならず
・ケータイ小説人気は地方が中心
・そもそもTBSは『ROOKIES』ほどには力を入れていない
です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ヒットドラマの映画化は成功するが逆は真ならず
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それ以外では『砂時計』はドラマ版は昼ドラなので印象が弱くドラマの映画化というよりは人気少女コミック原作という要素の方が強い。『スシ王子!』はドラマそのものがヒットしなかった(あれは映画の企画が先にあってまずドラマ化したそうですけど)。
ところが逆に映画のヒットした流れでテレビドラマ化した場合の成功例はあまりありません。日本映画が現在のように盛り上がってきた04年の『世界の中心で、愛をさけぶ』以降で、映画派生のテレビドラマのヒット作を見ると、『セカチュー』にしてテレビドラマ版はヒットしたかどうかギリギリというところ。明らかにヒットしたのは『ウォーターボーイズ』と『電車男』ぐらい。
ヒットしなかった方では『いま、会いにゆきます』『嫌われ松子の一生』『タイヨウのうた』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『海猿』『ハチミツとクローバー』などたくさんあります。
この違いは何か、というとヒットしたといえるヒットといえる数の違いです。映画や小説なら「ミリオン」100万人以上なら大ヒットです。しかしテレビの場合は視聴率というと普通は関東地区のデータで、対象世帯数は約1700万。『恋空』初回視聴率と掛け算すると100万弱でだいたい一致しています。
日本全国の世帯数は関東の約3倍、一世帯で一人以上は見ているなど他にいろいろな要素もありますが、小説、映画では大ヒットでもドラマでは低視聴率というのは人数としてはかけ離れてはいません。