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22時33分、船越英一郎は犯人の告白を聞く

全盛期は過ぎたものの未だに根強い人気の2時間サスペンス、そのヒットの秘訣はハリウッド映画と同じ公式が。8月中に放送された全作品から実例で解説します。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

2時間サスペンス。

全盛期には視聴率20%を連発していたものですが、近年は10%前半ぐらいに落ち込んでかつての勢いはありません。

老舗の「火曜サスペンス劇場」の日本テレビは昨秋、いち早く非サスペンスの「ドラマコンプレックス」に路線変更。またTBSはこの春から「月曜ミステリー劇場」を「月曜ゴールデン」に改題、「サスペンスばかりじゃない」と主張しています(TBSは自社製作映画がたくさんあるのにレギュラーの映画放送枠がないという事情もあるのでしょう)。


やっぱりサスペンスじゃないと

しかし非サスペンスをめざした「ドラマコンプレックス」ははっきりいって失敗しています。第一作こそ松嶋菜々子主演の『火垂るの墓』で視聴率21%強と滑り出し好調でしたが、続く大林宣彦監督の映画『理由』の再編集バージョンでは一気に1/3以下にダウン。以後、視聴率10%ラインで苦しんでいる状況が続いています。

一方、伝統的な2時間サスペンスは全盛期を過ぎたといっても堅調。特に2001年から2時間サスペンスに新規参入したテレビ東京「水曜ミステリー9」は後発ゆえに伝統的パターンを守ったドラマづくりで人気です。


2時間ドラマのパターン

パターンというと

・重要な証拠はアップにして強調してくれる。
・警察は捜査上の守秘義務をぺらぺらしゃべる
・茶道や華道などの家元はたいてい跡目相続や派閥争いでドロドロしている。
・あやしそうな奴は犯人じゃない
・犯人の告白は崖っぷちで

などなどたくさんありますが、一番重要なパターンは開始早々に第一の殺人が起こり最後は犯人が長々と告白するという「時間割」で、一般には下表のようになるといわれています。



そこで8月に本放送された2時間サスペンス11本を全部みて、時間割を実例で検証してみました。

対象作品は

8月 2日 水曜ミステリー9
山村美沙没十年特別企画『不倫調査員・片山由美』

8月 4日 金曜エンタテイメント
ドクター小石の事件カルテ(2)『検死』

8月5日 土曜ワイド劇場
『新聞記者・鶴巻吾郎』"幻の女”に抱きつかれて私が犯人に!!

8月 7日 月曜ゴールデン
山村美紗没後十年スペシャル『名探偵キャサリンvs十津川警部』

8月 9日 水曜ミステリー9
刑事吉永誠一涙の事件簿4『いちばん大切な死体(ひと)』

8月12日 土曜ワイド劇場
『法律事務所』自白の風景

8月16日 水曜ミステリー9
信濃のコロンボ事件ファイル12『陰画の構図』

8月19日 土曜ワイド劇場
『はみだし弁護士巽志郎(10)』出会い系サイトは死の香り

8月21日 月曜ゴールデン
『税務調査官窓際太郎の事件簿14』

8月26日 土曜ワイド劇場
『おばはん刑事!流石姫子ファイナル』

8月30日 水曜ミステリー9
農家の嫁は弁護士!『神谷純子のふるさと事件簿2』

※8月14日の月曜ゴールデン特別企画『黙秘』はサスペンスだけど「2時間サスペンス」のパターンから外れているため除外しています。

まずはつかみで第一の殺人

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