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テレビドラマを支える小劇場系俳優 新選組俳優は早い・うまい・安い(3ページ目)

豪華オールスター競演が定番の大河ドラマですが、『新選組!』には見慣れない俳優が多数出演しています。しかし演技には見るべきものが。こいつらは誰だ?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

誠の旗の下に
一人一人欠けていき…

はやい・うまい・やすい

小劇場系俳優は『新選組!』では特に目立ちますが、他のドラマでも欠かせない存在になっています。
その人気の要因をまとめると「はやい・うまい・やすい」の三拍子です。

はやい:舞台経験が豊富で即戦力として使える。

うまい:テンションが高くクセのあるキャラ、普通の人を演じさせて似合うキャラなどニーズに応じてさまざまなパターンでうまい俳優がいる、また新鮮でもある。

やすい:知名度が低いからギャラがやすくてすむ

また背景として小劇場側の姿勢が変化したこともあります。かつては劇団で人気を得て、卒業してからメジャーなドラマ・映画にという流れでしたが、最近は小劇場の劇団自らが俳優をドラマに売り出し、それで稼ぐとともに名前を売って芝居に客を呼ぼうという流れができています。

また三谷幸喜の他にも「大人計画」の宮藤官九郎の脚本で松尾スズキ、阿部サダヲ。劇団M.O.Pのマキノノゾミ脚本でキムラ緑子など、座付き作家が脚本を書き、所属俳優が出演するパターンも目立ちます。


大河ドラマの名作『黄金の日日』スカパー!で放送

さて前回の『新選組!』についてのガイド記事「新選組!ねらいはコストダウン?」では過去の大河ドラマの名作として『黄金の日日』を例にあげました。

『黄金の日日』を初めとする大河ドラマの名作で共通的に味わう感覚として、最終回が近くなって感じるなんともいえない寂しさがあります。
主人公たちの人生に一年間つきあって、あるものは道半ばに終わり、あるものは新たな飛躍を求めて旅立ち、またあるものは目標を達成するが老いには勝てず死んでしまう、それらを疑似体験し、また主人公たちと別れなければならない寂しさですね。

そういう寂しさを『新選組!』は久々に味あわせてくれました。これは「友の死」以降、ほとんど毎回のように登場人物が退場していく構成によるもので、このあたりは三谷幸喜、大河ドラマファンを自認するだけのことはあります。

さてその『黄金の日日』、DVDについては前回紹介しましたが、12月7日からスカパー!の「時代劇専門チャンネル」で月~金の毎日、10,16,22時に放送されます。スカパーを導入していればチャンネル契約でも525円で見られます。

ガイド絶対のおすすめのドラマです。どのくらいのおすすめかというと田宮二郎の『白い巨塔』と同等、もしくは再放送の希少性からいってそれ以上のおすすめです!

ところで『黄金の日日』は副主人公の石川五右衛門に根津甚八、脇に李麗仙と唐十郎(「マーちゃん」の両親)の状況劇場トリオが出演。大河ドラマに小劇場系俳優、当時はアングラ(アンダーグランドの略)といわれていました、が出演する先駆けでありました。

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