誠の旗の下に不安だった…「2004年の大河ドラマは三谷幸喜脚本の『新選組!』」と発表された瞬間からものすごく不安でした。三谷幸喜脚本は『古畑任三郎』『王様のレストラン』の二作は広く人気をあつめています。しかし、それ以降の『総理と呼ばないで 』『今夜、宇宙の片隅で』『合い言葉は勇気』あたりは好きな人は好きだけど…状態。喜劇作家であり舞台がメインであることから、もしかしたら『お江戸でござる』みたいな大河になるんでは?昨年末の倉本聰、故・野沢尚と競作した『川、いつか海へ』、正月の『古畑任三郎~すべて閣下の仕業』を見ても不安は募るばかり。しかしフタをあけて見ると多くは杞憂だったようで、今までのような重厚長大ではない「ライトな大河」という感じで、ディープな大河ファンは不満だろうけど、若い層をターゲットにしようと考えているならこれもアリでしょう。NHKに引きこもり?ただし『お江戸でござる』みたいな大河になるんでは…」というのは部分的にはあたっているところもあります。ロケがほとんどなく、スタジオ収録が主体。それも一話あたりのセットも少なめで舞台的。そしてNHKが三谷幸喜を起用した理由はまさにそこにあるのではないか?と疑っています。スタジオ収録が多くてロケがほとんどないと何がいいか?制作費が少なくて済むのです!大河ドラマのロケ、特にエキストラが多く大規模な合戦シーンが減ってきているのは一昨年の『利家とまつ』あたりから気になっていました。重要な戦いが地元で待つ女たちのはなしだけで片づけられることがよくありました。昨年の『武蔵』は関ヶ原の戦いが終わったところから始まり、剣豪が主役だから少人数での斬り合いが中心、終盤ようやく大坂冬の陣・夏の陣があるのみ。そして『新選組!』はスタジオ収録中心、さらに出演俳優も「大物」はほとんどおらず、小劇場出身が中心でギャラも少なくてすみそう。これで浮いた予算は現在制作中で来年放送されるNHK80周年記念ドラマ『ハルとナツ~届かなかった手紙』や野沢尚自殺により危ぶまれたけど制作継続が発表された『坂の上の雲』など、スペシャルドラマにまわされるのか?123次のページへ