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芹沢鴨謀殺・池田屋事件でようやくのってきました 新選組!ねらいはコストダウン?(2ページ目)

新説!大河ドラマ『新選組!』の脚本に三谷幸喜を起用した理由はこれ!…かな?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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誠の旗の下に
勢揃い、新選組

勢揃い、新選組

まあ、制作費が多くても少なくても視聴者にとってはおもしろければいいわけで、それを視聴率面から見ていきましょう。

視聴率が低い!という批判に対して三谷幸喜は平均視聴率よりも分刻みの視聴率を重視し「番組の最初が高くて、ラストに向けてだんだん下がっていったら問題だが、『新選組!』の視聴率は、しり上がりに上昇している」と主張しています。

しかし、各回で上昇したって次の回に視聴者を引っ張れないのも問題です。そこで各回の視聴率推移をグラフにしてみました。

これをみると初回が最高で、それから多摩・江戸にいる間は低落傾向、京都へ出発する回が最低でそこから上昇に転じ、江戸に戻る清河八郎たち前身の浪士組と別れて壬生浪士組となる回、芹沢鴨を謀殺する回と重要な事件が起こる週が山になっています。

『新選組!』のねらいとして当初からいわれていたのは、近藤(香取慎吾)、土方(山本耕史)、沖田(藤原竜也)たちを新選組になる以前から描くということ。新選組になる前というのは無名のころだから、あまり重要な事件はおこりません。そのためドラマ的な盛り上がりにかけたことが序盤の視聴率低下の原因でしょう。

芝居なら入場したお客さんはよっぽどのことがないかぎり帰りませんが、テレビの視聴者はものすごく移り気。ちょっと見て気にくわなければすぐにチャンネルを換えてしまいます。

しかし無名のころを青春ドラマ風にじっくり描いたからこそ、徐々に修羅の道へ踏みこんでいく主人公たちの変化がわかり、現時点でのおもしろさにつながっています。だからその功罪は最後まで見てみないとなんともいえません。



6月は芹沢鴨月間


そして4月以降京都にくると次々と事件がおこり盛り上がります。なんといっても、その中で光ったのは芹沢鴨(佐藤浩市)。これまでは単なる悪役としてしか描かれなかった芹沢を腕も立ち教養もあるけど屈折した複雑なキャラとしたことがポイント。
芹沢の弱点が最も浮かび上がったのは20話での桂小五郎との議論。長州の尊皇攘夷思想の矛盾を攻撃する芹沢に対し桂小五郎は「水戸の出身なのに」と芹沢の矛盾を突き反撃、芹沢は激怒。これ以降、芹沢の暴走ははげしくなり6月の芹沢月間になるわけです。

また芹沢の腹心、新見錦(相島一之)に詰め腹を切らせるところなど、これまでメジャーじゃなかった隊士にも見せ場を用意、放送回数の多い大河ならではで見応えがあります。

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