『ピュア・ラブ』
白血病におかされた小学校教師のヒロイン(小田茜)と、脊髄移植のドナーという形で結ばれた禅寺の修行僧(猪野学)とのプラトニック・ラブストーリー。
恋愛についての制約がほとんどない現代の日本では魅力的なラブストーリーをつくることは困難です。それを『ピュア・ラブ』は禅の修行+移植のドナーという時代を飛び越えた新旧のパターンを組み合わせることで、はげしい想いを胸に秘めながらも直接的に「愛してる」などと決して言わない、見ている方がじれったいほど禁欲的な恋愛を展開。
恋愛だけでなく、学校、家族、禅寺が舞台という設定をいかして、死から人の命の大切さ、どう生きていくかを問うています。宗達老師(川津祐介)が人の命はなぜ大切か、わたしたちの命は何世代にもわたる祖先から受け継いだものだから、と説いた時、相前後して再放送の『3年B組金八先生』の「いのちの授業」でも同じようなことをおしえていたのが印象的。
登場人物のほとんどが折り目正しい言葉づかいをしているのも逆に新鮮です。特に陽春役の猪野学のクラシックさははまり役。猪野学がこの役に起用されたきっかけは、同じく毎日放送制作の昼ドラ『ディア・ゴースト』の戦死した陸軍中尉の幽霊役がよかったからだそうで、やっぱりクラシック。
ちなみに猪野学はNHK海外ドラマの声優の常連で『冬のソナタ』でもサンヒョク役です。
主題歌、Every Little Thingの「また あした」とアイルランドの縦笛による栗山和樹音楽もよく合っています。
DVDを購入する場合はここをクリック!