テレビ番組の評価に大きな力を持つ視聴率、その調査に工作するという前代未聞の不正が発覚しました。
不正工作を行ったのは日本テレビのバラエティ番組プロデューサ。視聴率調査を行うビデオリサーチ社の調査サンプル世帯に謝礼を渡し、自分が制作した番組を見ることを依頼、視聴率を上げようとしたものです。
新聞でも一面トップで扱われる大スキャンダルとなったこの事件、なぜそんなに重要なのか?視聴率とはなにかということから考えて見ましょう。
視聴率はひと言でいうとテレビ番組が「どれだけの世帯や人に見られているか」ということを示す量的な尺度です。視聴率はなぜ必要か、それは民放テレビ局の主な収入源はスポンサーのCMを流すことでえられるCM放送料で、多くのCM依頼を受け、かつCM放送料を高くするためにはスポンサーに対して、たくさんの人が見ていることを示す必要があるからです。
視聴率調査の歴史
日本で最初の視聴率調査はNHKがテレビ放送を開始した53年に行ったもので、NHKと日本テレビしかテレビ局がなかった当時、一週間のすべての番組について見たか見ないかを直接聞きにいくというものでした。
その後、民放局は広告会社が調査を始めましたが、電話で聞いたり視聴者がメモをとるというものであまり精度の高いものではなく集計にも時間がかかりました。
機械式調査が始まったのは61年。これにより一分単位の視聴率が測定できたり、前の週の視聴率が翌金曜にわかるまでになりました。
さらに77年には電話線をつかってデータ通信できるようになり、前の日の番組の視聴率が翌日にわかるまでになりました。
ここまでの視聴率はテレビが一家に一台の時代であり、世帯単位でしかわかりませんでしたが、スポンサー側からどの年齢層の男or女が見ているかということまで知りたいという要望が高まり(F1が20~34才の女性というやつですね)、97年から個人視聴率の測定が始まっています。家族の中でだれが見ているかを判断するために、人がボタンを押すのが基本で押し忘れした場合にセンサーを使って補完しています。