雑誌などひっくり返していろいろと試乗記を読み返すと(ネット上ではMOTOR DAYS 週刊新車試乗記など)共通して書いてあるのは普通に走る分には普通だが、限界を超えた走りをした時はドライバーの腕次第だということ。
最近の量産メーカーがつくるハイパワー車は、コンピュータ制御によりクルマがすべりそうになったらブレーキを調整したりタイヤに伝わる力を自動的に制限するなどして安全に走れるように親切設計しています。
それに対して少量生産のTVRはクルマの素の魅力をだすためそんなお節介はせず、危なくなったら自分でなんとかしろ、という立場です。そしてそういうことが好きな人だけが買っていきます。だからドライバーはそれなりの技術が要求され、本国イギリスでは講習を受けることを条件に売っていると聞きます。
(事故の原因についてドライビングテクニック面からチューニング・カー用品ガイドの青砥さんが西部警察事故はなぜ起こったのかで詳しく分析しています。図解つきでよくわかります)
技術がなければのってはいけないというクルマが悪いわけではありません。たまにオートマチック車が暴走事故を起こしていますが、多くはオートマチック車の乗り方を知らないためにおきています。オートマチック車が暴走するからといってマニュアル車にしろということにならないのと同じことです。
事故を起こした俳優に乗るに十分な技量があったのか、証言と事故のビデオをみた限りでははなはだ疑問です。俳優の技量に応じたクルマを選ぶか、クルマに応じて俳優の技量を上げるかを制作サイドはしなくてはいけなかったと思います。
そういう意味で『西部警察』旧作で使われた日産車を使っていれば、おそらくこういった事態にはならなかったでしょう。